MicrosoftのクラウドPCサービス、Windows 365の提供が開始されました。2か月は無料で利用できるとのことなので、早速試してみました。
なお、企業向けのサービスではありますが、個人でもWIndows 365 Businessのアカウントを作成すれば利用可能です(個人で利用しているMicrosoftアカウントでは利用できません)。
試してみたのは、2vCPU/8GB/128GBと4vCPU/16GB/128GBの構成。ちなみに、CPUはどちらもIntel Xeon Platinum 8272CLの表記で、2vCPUは「1 Core、2 Threads @2.6GHz」、4vCPUは「2 Cores、4 Threads @2.6GHz 」でした。
動作としては、2vCPU側はややもっさり感はあるものの、ブラウザやOffice系を使う限りはあまり困らない程度の操作感。対して4vCPUのほうは、反応も悪くなく、全画面で操作すると、ちょっとスペックの低いPCを直接操作しているような感覚です。
ちなみに、CINEBENCH R23の結果は、2vCPUが「1066」、4vCPUが「1969」でした。
PCMARK 10 Expressでは、2vCPUが「2488」、4vCPUが「3170」。
オフィス関連以外では、PhotoShopはどちらも問題なく利用できました。さすがにサクサク動くとはいきませんが、簡単なレタッチ程度なら難なくこなせるかと思います。
また、これを使えば、リモートでSteamのゲームができるのでは?とも思ったのですが、残念ながらそうは上手くいきませんでした。どちらの環境でもバイオハザード4は起動すらせず、バイオハザードRE:3は立ち上がるものの、CPUが100%に貼りつき、操作不能になります。
3DMarkも実行できず、ゲーム系は絶望的なようです。もっとも、そうした用途向けのサービスでもありませんが。この用途なら、素直にGeforce Nowなどを利用したほうが良さそうです。
Windows PCを持っていない人ならメリットはあるかも
正直なところ、個人でWindows 365を利用するメリットというのは、ほぼなさそうです。やはりある程度の組織で、PCを購入すると資産管理や減価償却が面倒だったり、メンテナンスコストがかかるといった場合に、毎月一定の経費で利用できるというのが大きなメリットでしょう。ホームワークでも、従業員に手軽にリモート環境を提供できるというのも大きいです。
個人の場合、たとえばiPadしか持っていない、スマートフォンしか持っていないという場合なら、Windows 365はブラウザからアクセスできるので、手元にPCがなくてもWindowsを利用できるというメリットはあります。ただ、1年継続すれば10万円ほどにはなってしまうので、それなら安いノートPCでも買った方が使い勝手はいい気がします。
スマートフォンでも動くので、出先で急遽PC操作をしなければいけなくなったという場合には使えるかもしれませんが、UMPCでも持ち歩いた方が楽でしょう。
なんにしろ、2か月は無料で使えるので、気になる人は試してみるといいと思います。