
Yubicoは2026年9月2日(米国時間)、OpenAIとの提携を拡大し、共同ブランドのYubiKey 2本セットの提供対象に日本を含む10か国を追加したと発表しました。追加されたのは、オーストラリア、エジプト、日本、マレーシア、メキシコ、サウジアラビア、シンガポール、韓国、台湾、アラブ首長国連邦です。
このセットは、OpenAIが2026年4月30日(米国時間)に発表した「Advanced Account Security(AAS)」に合わせて用意されたものです。当時は日本から購入できない状態でした。今回の拡大で、その制約が外れたことになります。

セットの中身は2モデルのまま
提供されるのは、以下の2本セットです。
- YubiKey C NFC – OpenAI:スマートフォンやタブレットにかざしてタップ認証するモデル
- YubiKey C Nano – OpenAI:ノートPCのUSB-Cポートに挿しっぱなしで使う薄型モデル
構成は5月時点の発表から変わっていません。2本セットになっているのは、AASを有効にするとパスワードによるサインインが無効になるためで、1本を普段使い、もう1本を予備として登録しておく想定です。
価格は2本セットで68ドル。日本への送料として別途10ドルかかります。

TACメンバーはハードウェアパスキーが必須に
今回の発表のもう一つの柱が、OpenAIの「Trusted Access for Cyber(TAC)」プログラムに関する部分です。Yubicoによると、AASプログラムが2026年9月1日に稼働し、TACメンバー全員にハードウェアベースのパスキー登録が求められるようになったとのことです。
TACは、AIとサイバーセキュリティの最前線にいる研究者や防御側の担当者を対象としたプログラムです。セキュリティキーを登録すると、SMSのワンタイムパスコードやプッシュ通知といった、フィッシングに弱い認証手段が無効化されます。Yubicoは、こうした従来型のMFAは中間者攻撃(AiTM)で傍受・回避されやすく、コピーも同期もできない資格情報を土台にする必要があるとしています。
コラボ版を待つ必要があったかというと
AAS自体は、共同ブランド版でなくてもFIDO2対応の一般的なセキュリティキーや、デバイスに保存するパスキーで有効化できます。その意味で、日本からコラボ版を買えるようになったこと自体は、記号的な意味合いのほうが大きいと言えるでしょう。
ただ、YubiKeyを2本まとめて優待価格で入手できるのであれば、これから物理キーを導入する人にとっては選択肢のひとつにはなりそうです。AASは復旧手段も限定される仕組みなので、最初から2本を確保しておく構成自体は理にかなっています。


