
ASUSは5月16日、「Republic of Gamers(ROG)」シリーズからGeForce RTX5070/5060 Laptopを搭載したゲーミングノートPC、7製品11モデルを発表しました。
薄型軽量なゲーミングノート「ROG Zephyrus G16(GA605KP)」もその中の1台。発売は5月20日で、価格は43万9800円。
Core Ultra 9にRTX 5080/5090を搭載した上位モデルの「GU605CX」「GU605CW」は4月に発売済みですが、GA605KPはCPUに「AMD Ryzen Al 7 350(8コア/16スレッド)」を搭載。dGPUは「NVIDIA GeForce RTX 5070 Laptop」で、若干スペックを落とした普及帯のモデル。価格も上位モデルの60万円オーバーと比べると、43万9800円と若干控えめになっています。
今回、発売に先立って、ROG Zephyrus G16の評価機をお借りしたので、ベンチマークを中心に性能をチェックしてみました。
16型ゲーミングノートROG Zephyrus G16
ROG Zephyrus G16は、16型OLEDを搭載。解像度は2560×1600ドット で、リフレッシュレートは240Hzで応答速度は0.2msとゲーミング仕様のディスプレイです。

ディスプレイ上部には207万画素の赤外線カメラを搭載。Windows Helloの顔認証にも対応しています。ただ、物理シャッターは非搭載です。

天板には斜めに配置されたスラッシュライティングを搭載。使用中に自分で見ることはありませんが、ゲーミングらしさを感じる部分です。



キーボードは日本語配列。ASUSのノートPCは、キーボード部分が他の配列と共通になっているので、日本語配列の場合、「¥」や「BackSpace」、「無変換」「変換キー」あたりが若干小さくなっています。

主要なキーはキーピッチ19mmを確保。適度な反発と相まって、非常に打ちやすいキーボードです。
なお、残念ながら日本発売モデルではUS配列は選べません。SKUが増えてしまうのでやりたくはないのでしょうが、是非とも日本でもUS配列を選べるようにして欲しいところです。
タッチパッドは、実測で約100×150mmと非常に広く、操作性は申し分ありません。これだけ広いと、キーボードを打つ際に手のひらがタッチパッドに触れてしまいますが、しっかりとパームリジェクションが効いており、その状態でも問題なく操作することができました。

キーボード左右には、スピーカーを搭載。2W×2、1W×4の6スピーカー構成で、ヘッドホンやイヤホンを使わずとも、迫力のある音でゲームなどを楽しめます。
16型ということで、354.0×246.0×14.9~16.4mm、重さ約1.85kgとそれなりのサイズと重量にはなりますが、カバンにいれて持ち運べないことはないと思います。
豊富なインターフェース
インターフェースは、向かって左側面に、DCポート、HDMI、USB4 (Type-C/Power Delivery対応) 、USB3.2 (Type-A/Gen2) 、3.5mmジャック。右側面にSDカードスロット、USB3.2 (Type-A/Gen2) 、USB3.2 (Type-C/Gen2/Power Delivery対応) を備えます。



ベンチマークで性能を確認
ここからはベンチマーク結果を確認していきます。今回試用している評価機は、AMD Ryzen Al 7 350にRAM32(LPDDR5X-7500)、ストレージは1TB(PCI Express 4.0 x4接続 NVMe/M.2)。


ROG Zephyrus G16は、Armoury CrateでCPUやGPUのパフォーマンスを設定できますが、ベンチマークはすべてパフォーマンス、GPUはスタンダードで計測しています。 また、比較のため、Ryzen AI 9 HX 370を搭載したASUS Vivobook S14 OLED、Core i9-14900HXにRTX4060搭載のROG Strix G16のスコアも併記します。
まず、CPU性能を測るCINEBENCH R23ですが、Core i9-14900HXやRyzen AI 9 HX 370には及ばないものの、シングル「1868」、マルチで「13680」とまずまず。

続いてPCの総合的な能力を測るPCMark 10ですが、トータルスコアは「7631」。日常的な使い方の「Essentials」、オフィスアプリの「Productivity」、写真編集などの「Digital Content Creation」のすべてが1万を超えて超えており、ゲーミングだけではなく、オフィスユースでも問題なく使えるはずです。
なお、トータルスコアでは、Ryzen AI 9 HX 370のASUS Vivobook S14 OLEDをわずかに上回りましたが、これはグラフィック性能が影響するDigital Content Creationのためでしょう。


グラフィック性能を測る3DMarkをみると、さすがにASUS Vivobook S14 OLEDとの差が大きくなります。また、RTX4060のROG Strix G16と比べても、各スコアともわずかにRTX5070のROG Zephyrus G16が上回ります。

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークも同様に、ROG Strix G16を上回りました。高品質/1920×1080/フルスクリーン設定でも「11737(とても快適)」なので、重いゲームでも問題なくプレイできそうです。


もう一つ、モンスターハンターワイルズベンチマークも試してみました。こちらは、フレーム生成オフ、レイトレーシングオフ、2560×1600ピクセル、グラフィック高という設定で「21462」。非常に快適にプレイできるとのことです。

バッテリー持ちは、公称ではJEITA 測定法 3.0で「約10.7 時間 (動画再生時) /約14.1 時間 (アイドル時)」となっています。ただ、PCMark 10のバッテリーベンチマークでは「GAMING」で1時間21分、「MODERN OFFICE」は2時間45分となりました。どちらも「パフォーマンス」プロファイルでの計測ですが、試しに「サイレント」で実行したところ、「GAMING」が2時間18分となりました。
ただ、パフォーマンスではFPSが110を超えるに対して、サイレントでは30程度まで下がってしまったので、あまり意味はないでしょう。外出先で使う場合には、素直にACアダプターを持ち歩いたほうが良さそうです。

性能が高いということで気になる発熱ですが、ベンチマーク中にキーボード上部が50度を超えました。直接触る部分ではありませんが、ディスプレイ裏などにも物を置かないようにしたほうが良さそうです。

また、ACアダプターも50度弱と熱くなるので、置き場所には注意したほうがいいかもしれません。

持ち運び可能な最強環境を求める人向け
約44万円という価格を考えてしまうと、おそらくデスクトップを自作したほうが同等性能をさらに安く手に入れられるのではないかと思います。
それでも、持ち運び自由なゲーミングノートPCは、外出先でもいつもの環境でゲームを楽しみたい、外出先で動画編集などのクリエイティブな作業を行いたい、自宅内を自由に持ち運んで使いたいという人なら満足できる性能でしょう。
また、自作PCは何かトラブルが発生したときの対応も面倒です。ASUSのノートPCなら、1年間はASUSの安心保証が利用可能(要登録)。自然故障の保証はもちろんこと、不注意でディスプレイを割ってしまった場合なども、部品代金の20%負担で修理可能です。
さらに、有料のASUSのあんしん保証プレミアムに加入すれば、3年間は自己負担0円で修理できます。
私も修理依頼をしたことがありますが、年始にもかかわらず約1週間で修理が完了しました。

ゲーミングPCは発熱が大きい分壊れやすいという話も聞きます。高価な製品だけに、こうした保証サービスに入っておくことを強くお勧めします。