
株式会社COFOは2026年8月25日、電動昇降デスクの新モデル「COFO Desk Studio」を発表、先行予約がCOFO公式サイトで始まっています。価格は天板の素材とサイズによって分かれ、天然木のナチュラル/ダークブラウンが14万9980円〜17万4980円(税込)、MDF+PVCシートのマットブラック/マットホワイトが12万4980円〜14万3980円(税込)です。天板は4色、脚はマットブラックとマットホワイトの2色から選べます。
COFO Deskシリーズは累計1.5万台の出荷実績があるとしており、Studioはその最新モデルにあたります。前モデルの「COFO Desk Premium」から数えると約4年ぶりの新作です。
発表に先立ち、7月31日にはメディア向けの発表会を開催。COFO取締役兼開発責任者の吉良氏が登壇したほか、スマートミラー「MIRROR FIT.」を手がけるミラーフィット株式会社 代表取締役の黄皓氏を迎えたトークセッションも行われました。
なぜ「Premium 2」ではなく「Studio」なのか
吉良氏がプレゼンテーションの冒頭に置いたのは、製品名の話でした。前モデルが「COFO Desk Premium」なので「Premium 2」を予想した人もいるはずだが、そうはしなかった。「もっといいデスク、高級なデスクを作りたかったわけではない」からです。作りたかったのはワークスペースそのもの、つまり個人の空間のほうで、だから名前を「Studio」にしたと述べました。

背景として挙げたのが、この数年の働き方の変化です。Premiumを開発した4年前と比べると、リモートワークやハイブリッドワークが広がり、AIも仕事に入ってきた。それなのにワークスペースのほうはあまり変わっていない——そこが出発点だったといいます。吉良氏は理想のワークスペースを「毎日帰ってきたくなる場所」「自分らしくいられる場所」「集中できる場所」と言い換え、子どものころの秘密基地にたとえていました。
デスク単体ではなく、チェアやモニターアームを含めた空間として提供する。その延長で、今後はモニターなども検討しているそうです。
前モデルは、謝罪行脚で聞いた一言から生まれた
前モデルとなるPremiumの成り立ちについても話がありました。COFOはまずチェアを発売しましたが、そこで不良が発生し、吉良氏はもう一人の担当者とともに全国を回って謝罪していたそうです。件数は200数件だったといいます。
その訪問先の一軒で、「椅子は座り心地が良かったけれど、デスクはないのか」と言われたのが、デスク開発のきっかけになったとのこと。当時のキーワードは3つで、天然木の天板、マグネットによる配線収納、そして仕様を1つに絞ることでした。天板と脚を別々に買う人が多いのは天板の品質に理由があると考え、そこに手を入れることにしたとのことです。
なお、Premiumの天板は天然ラバーウッド材にマットウレタンニス塗装という仕様で、価格は8万5999円(税込)からとなっています。Studioは素材と機能を積み増した分、価格帯もひとつ上に置かれた格好です。
天板は天然木とMDFの2系統。腕を置く手前の角度に試作を重ねた
Studioの天板は、ナチュラルとダークブラウンが天然木、マットブラックとマットホワイトがMDF+PVCシートという構成です。天然木側には、木の道管を完全に塞がない「オープン仕上げ」と呼ばれるウレタン塗装を施しているとしています。吉良氏によれば、Premiumでは塗装を厚くしたために木の質感が分かりにくくなっていた。Studioでは余計な加工を避け、木本来の手触りを残す方向に振ったそうです。
天然木を選んだ理由に挙げたのは、経年で変わっていくことでした。傷が付き、色が変わっていくことで、その人のためのデスクになっていく。そこに天然木の価値があると考えたといいます。傷や汚れに強い選択肢としては、MDF+PVCシートの2色を用意しました。
細部では、天板手前の角度に何十回も試作を重ねたと話していました。デスクで一番長く触れているのはキーボードではなく天板、なかでも腕を置く部分だからです。

ポモドーロタイマーと、立った時間の記録
Studioで新しく載ったのは、操作パネル側のソフトウェア機能です。ひとつが「ポモドーロタイマー」で、作業時間と休憩時間、ラウンド数を設定しておくと、区切りをバイブレーションで知らせます。
吉良氏がこの機能を入れた理由に挙げたのは、スマートフォンを触りたくないという点でした。集中している最中にタイマーのためスマホを手に取ると、そこで集中が切れてしまう。だからデスク側で完結させたかった。仕事で一番重要なのは時間ではなく集中力で、気付いたら2〜3時間経っていたような状態にこそ価値がある、とも語っていました。

もうひとつが、立って作業した時間の自動記録です。日々のデータが記録され、作業習慣を可視化できるとしています。座りっぱなしが腰などの負担につながるため、立つ時間を残すことが昇降デスクの健康面での役割になる、という位置づけでした。
昇降機構そのものは、Premiumより安定性と静音性を高めたとしています。仕様上の昇降音は48dB以下で、Premiumの50dB以下から数値上は下がりました。操作パネルは誤操作を防ぐ設計にしたそうです。
マグネットにレールを追加。デスクシェルフも新製品
収納は、従来のマグネット収納にレールを加えた2系統になりました。軽い小物はマグネット、PC本体や大きな引き出しのような重量物は専用アクセサリーでレールに固定します。マグネットだけでは支えきれなかったものを載せられるようにした、というのが今回の変更点です。会場では、クランプでサイズを調整してデスクトップPC本体やゲーム機を保持するデモが行われていました。

同時に発表された「COFO Desk Shelf」は、ユーザーからの要望で実現した新製品だとしています。天板と同じ素材を使うことでデスクとの統一感を持たせ、シリーズの特徴である天板下の全面スチールをシェルフ側にも採用してマグネット収納に対応させました。
アクセサリー類も複数用意されます。会場で紹介されたデバイススタンドは、シェルフにもデスク天板にも、天板の下側にも付けられるものでした。

トークショー:健康寿命と平均寿命の12年差
発表会の前半では、吉良氏と黄氏によるトークショーが行われました。テーマは「日本の健康へのアプローチ」と「個への最適化」です。

黄氏が持ち出したのは、健康寿命と平均寿命の差でした。日本の平均寿命は世界でも上位にある一方、自分の思い通りに活動できる期間である健康寿命との間には約12年の開きがあり、その中身は筋骨格系の疾患や衰えだといいます。だからこそ、人と健康の間にある時間・お金・場所というハードルを取り除きたかった、と創業の動機につなげました。
黄氏がもうひとつ繰り返していたのが、「人に頑張らせるプロダクトは、最終的にあまり人のためにならない」という考え方です。マーケティングの力で1回や2回はジムに行かせられても、健康はその繰り返しでしか維持できない。だから、意識しなくても健康な状態を保てる設計を心がけてきた。鏡というハードウェアを選んだ理由も、そこにあると話していました。
吉良氏がデスクとチェアに向かった出発点も、自分の不調でした。コロナ禍で在宅勤務に切り替わった当時、狭い家でこたつの上で仕事をしていて、腰と肩と首が痛くなった。原因は姿勢だと考えて椅子を探したものの、良い椅子は15万〜20万円台で手が出ず、安いゲーミングチェアは長時間座ると腰が痛く、蒸れる。それで自分たちで作ることにしたそうです。

価格の決め方についても具体的な話が出ました。COFOでは先に販売価格を決め、そこからコストを逆算します。そのうえでニーズの優先順位を付け、必要とされている部分から予算を割り当てる。チェアなら腰のサポートが最優先で、次が首。優先順位の低い機能は載せない、と吉良氏は説明しました。
その考え方の裏には、1社目での失敗があるといいます。2017年にマイナスイオンの空気清浄機を作った際、加湿機能も足した結果、加湿器なのか空気清浄機なのかユーザーに伝わらず売れなかった。黄氏はこれを受けて、「なぜ作るか」というミッションが明確なら、必要な機能とそうでない機能の取捨選択は簡単になると応じていました。
品質管理は全数検査
トークショーの終盤、黄氏から中国での生産と品質管理について質問が出ました。中国のメーカーの品質基準と日本のユーザーが求める基準は違うが、どう対応しているのか——というものです。
吉良氏が挙げたのは、専属ラインでの生産と全数検査でした。中国のメーカーでは1000個作ったうち3%程度を抜き取って検品するのが一般的だが、COFOでは自社の品質管理担当が生産ラインに立ち、一つずつ検品している。コストは上がるものの、出荷後にユーザーのもとで不具合が出るほうが高くつく、という判断です。黄氏も、ミラーフィットで1万台、2万台の全品検査に行っていたと応じていました。
事業の方向としては、吉良氏は今年から始めた米国展開を挙げ、個人向けに専念する方針を示しました。法人からの引き合いも増えているものの、フォーカスが大事なのでtoCに専念したい、とのことでした。
主なスペック
| 項目 | 内容(仕様) |
|---|---|
| 製品名 | COFO Desk Studio |
| 天板カラー | ナチュラル/ダークブラウン/マットブラック/マットホワイト |
| 天板素材 | ナチュラル・ダークブラウン:天然木(オープン仕上げのウレタン塗装)/マットブラック・マットホワイト:MDF+PVCシート |
| 脚カラー | マットブラック/マットホワイト |
| サイズ | 幅120/140/160/180×奥行70cm |
| 昇降範囲 | 高さ62〜124cm |
| 昇降速度 | 35mm/s |
| 昇降音 | 48dB以下 |
| 耐荷重 | 最大125kg(天板含む) |
| 収納 | マグネット収納/レール収納 |
| 主な機能 | 昇降/メモリー/ポモドーロタイマー/立ち作業時間設定/ロック/高さ制限/障害物検知/アイコン/言語切替/単位切替/時間設定/リセット/メモリー機能操作方法切替 |
| 企画国/製造国 | 日本/中国 |
| 先行予約 | 2026年8月25日20時(COFO公式サイト) |
価格(税込)
| サイズ | ナチュラル/ダークブラウン | マットブラック/マットホワイト |
|---|---|---|
| 幅120cm | 14万9980円 | 12万4980円 |
| 幅140cm | 15万5980円 | 13万980円 |
| 幅160cm | 16万2980円 | 13万7980円 |
| 幅180cm | 17万4980円 | 14万3980円 |
前モデルとの違い
| 項目 | COFO Desk Studio | COFO Desk Premium |
|---|---|---|
| 天板(天然木) | 天然木/オープン仕上げのウレタン塗装 | 天然ラバーウッド材/マットウレタンニス塗装 |
| 天板カラー | ナチュラル/ダークブラウン/マットブラック/マットホワイト | ナチュラル/ウォルナット/ブラック/ホワイト |
| 昇降範囲 | 62〜124cm | 63〜128cm |
| 昇降速度 | 35mm/s | 最大40mm/s(定格35mm/s) |
| 昇降音 | 48dB以下 | 50dB以下 |
| 耐荷重 | 最大125kg(天板含む) | 最大125kg(天板含む) |
| 収納 | マグネット+レール | マグネット |
| タイマー・記録機能 | ポモドーロタイマー/立ち作業時間計測 | ― |
| 価格 | 12万4980円〜(税込) | 8万5999円〜(税込) |
※Premiumの仕様はCOFO公式サイトの仕様ページに基づきます。昇降範囲はStudioのほうが上下ともわずかに狭く、最大速度も公表値では下がっています。
まとめ
Studioで増えた要素を整理すると、天板素材の変更、レール収納の追加、デスクシェルフ、そしてポモドーロタイマーと立ち時間の記録という4点になります。昇降デスクとしての基本は据え置きで、その周りに「机の上をどう組み立てるか」の選択肢を足した構成です。
型番を「Premium 2」にしなかった理由も、この構成と一貫していました。デスク単体の性能を上げるのではなく、デスクを起点にワークスペース全体を提供する方向に振ったということで、価格帯がひとつ上がったのも範囲を広げた分と見るのが自然だと思います。
一方で、天然木とMDFの価格差は同じ幅で2万5000円(幅180cmのみ3万1000円)あり、天然木の幅180cmは本体だけで17万4980円です。デスクシェルフやアクセサリーを足せば総額はさらに上がりますが、これらの個別価格は発表会でもリリースでも示されていません。
ポモドーロタイマーについても、スマホアプリで代替できると感じる人はいるはずです。吉良氏の理屈は「スマホを手に取った時点で集中が切れる」というもので、この前提に納得できるかどうかで評価が分かれそうな機能ではないでしょうか。

