重量1gのスマートピアス「Lumia 2」、心拍やHRV、睡眠、体温など20以上のデータを計測可能

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米Boston拠点のヘルステックスタートアップLumia Healthが、ピアス型スマートウェアラブル「Lumia 2」のクラウドファンディングをKickstarterで開始しました。重量1g未満という小型サイズに、心拍やHRV、睡眠、体温など20以上のヘルス指標を追跡するセンサーを搭載した、文字どおり「世界最小クラスのウェアラブル」です。

価格は249ドル(約3万8000円)で、配送先は米国とカナダ限定。クラウドファンディング開始から数時間で支援額が80万ドル(約1億2000万円)を突破しています。

「リング」の次は「ピアス」、耳たぶで取れる安定したシグナル

スマートウォッチ、スマートリング、スマートグラスとさまざまな部位向けのウェアラブルが登場していますが、Lumia 2はそこに「ピアス」というカテゴリーを切り開く製品です。同社CEOのDaniel Lee氏は「これがスマートリングの次に来るものだ」とコメントしています。

ピアス型である最大のメリットは、耳が頭部の主要な血管に近い位置にあること。Lumiaによると、耳の表面付近にある血管は手首や指のように動きの影響を受けにくいため、心拍やHRV(心拍変動)、体温などの計測精度が手首装着型デバイスより高いとしています。

センシング技術はもともとJohns Hopkins大学、Duke大学、Harvard大学の研究者と共同で、頭部への血流(cerebral blood flow)パターンを研究するために開発されたものとのこと。コンシューマー向けデバイスへの転用にあたっては、エネルギー、集中力、認知パフォーマンスとの関連が指摘される血流データもLumia 2で継続的にモニタリングできるとしています。

1g未満、AirPodsの5分の1のサイズ

Lumia 2の心臓部となるのは「Lumia Core」と呼ばれるピアスバック(ピアスの留め具)型のモジュール。ここに第2世代「PreciseLight」センサー、プロセッサー、バッテリー、その他のセンサー類がすべて格納されています。

重量は1g未満。コーヒー豆1粒よりも軽いとされ、AirPodsの5分の1のサイズに相当するそうです。ピアスは左右セットで販売されますが、Lumia Core本体は左耳のみに装着する仕様となっています。

ピアスのデザインは、フープ(huggie hoops)、カフ、スタッドの3タイプから選択可能で、フィニッシュはゴールドやシルバーが用意されます。素材には植え込み医療機器グレードの生体適合素材を採用しており、ニッケルフリーかつ銅を含まない仕様。一般的な14K・18K金合金は銅を含むため肌が敏感な人には刺激になりうるそうで、Lumia 2では金色の見た目を保ちつつ肌への影響を抑えるため、独自のゴールドトーンコーティングを開発しています。

カフタイプはピアスホールが不要なので、耳に穴を開けていない人でも使えます。

「SwitchBack」で手持ちのピアスにも装着可能

特許出願中の「SwitchBack」テクノロジーにより、Lumia Coreを一般的なプッシュバック式のピアスの留め具と入れ替えて装着することも可能。お気に入りのピアスをそのままスマートピアスとして使えるという、地味ながら実用的なギミックです。

ただし、対応するポスト径は0.6〜0.9mm。日本のゲージ表記でいうと22G〜19G相当です。ピアッサーで開けた一般的な18G(1.0mm)以上のポストには対応しないので、手持ちのピアスを使いたい場合はポスト径に注意が必要です。なお、Lumia純正ピアスのポスト径は0.75〜0.85mm(20G相当)となっています。

ピアスバック+バッテリーパックを組み合わせた状態のサイズは、12mm×10mm×6mm未満の体積に収まっており、ハードウェア仕様としてもかなりコンパクト。防水性能も備えており、シャワーや就寝時、運動時もつけたままで構わないとのこと。バッテリーパックは交換式で、ピアスを外さずに充電できる仕組みになっています。1パックあたりの駆動時間は7日以上(サンプリングレートの設定で変動)です。

接続はBluetooth Low Energy 6.0。対応OSはiOS 17以降(iPhone SE 第2世代以降)、Android 11以降(BLE 5.0以上のデバイス)となっています。

計測項目は20以上、デフォルトは3分ごとに記録

計測できる項目は、血流(Flow Index)、心拍数、HRV、睡眠ステージ、体温、月経周期、アクティビティ、ストレス、デイリーレディネススコアなど20以上。

血流と心臓関連の主要指標は、デフォルトでは3分に1回のペースで取得します。バッテリーとデータ密度のバランスを取った設定とのこと。サンプリングレートは1〜15分の範囲でユーザーが設定できる予定で、より細かい計測が必要なときは「Live Mode」を有効にすることで、1秒に1回のサンプリングに切り替えることもできます。運動セッションやリアルタイムのフィードバックが欲しい場面向けの機能です。

また、ワークアウト、瞑想、カフェイン摂取、移動、ストレスの強い時間帯など、自分の行動や状態を「イベント」としてタグ付けできる「Event Tagging」機能も搭載。これらのイベントと血流・心拍指標の変化を直接比較することで、特定の活動が体に与える影響を可視化できるとしています。

前モデル「Lumia 1」は2025年2月発売の医療寄り製品

Lumia 2は突然登場した製品ではなく、2025年2月に発売された前モデル「Lumia 1」の進化版にあたります。Lumia 1はPOTS(体位性頻脈症候群)、Long COVID、ME/CFS(筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群)といった慢性疾患を抱える人を対象とした医療寄りの製品で、形状もピアスではなく耳のくぼみに装着するイヤフォン型でした。

CEOのDaniel Lee氏自身が後に「機能優先で、補聴器のような見た目だった」と振り返っているとおりです。本体に超小型ソーラーパネルを搭載しており、装着中の光や付属の赤外線LED充電ドックで充電する独特な仕組みを採用していました。価格はキット一式で379ドル+別売りの月額メンバーシップという料金体系で、ジョンズホプキンス大学での臨床試験(2024年JACC誌掲載)では、心拍数や血圧に変化が出る2〜12分前に血流低下を検知できたとの結果も出ています。

Lumia 1を販売する中で、ユーザーが本体を耳の後ろ側(ピアスバックのような位置)に装着しても問題なく動作することが発見され、これがLumia 2のジュエリー型デザインに繋がったとのこと。Lee氏はNational Jewelerの取材に対し「半分以上の人が日常的に身につけているピアスというフォームに、この技術をパッケージできることに気づいたのが転換点だった」とコメントしています。慢性疾患のないチームメンバー自身がLumia 1を着けることで、健康な人にとっても血流データが有用だとわかったことも、コンシューマー向けLumia 2への方針転換の理由になったそうです。

月額9.99ドルのサブスク制、米加から順次グローバル展開

Lumia 2は米国・カナダの先行で249ドル。ヘルスケア機能の全データにアクセスするには、別途月額9.99ドルのサブスクリプション契約が必要です。

Lumia Healthは元Boseのエンジニアらが2020年に設立したスタートアップで、現在はBostonに35人規模のチームを構えています。今回のローンチに合わせてJ2 Ventures、BonAngels Venture Partners、エンジェル投資家から700万ドルの新規資金調達と、510万ドルの政府関連契約・助成金の獲得も発表しており、累計調達額は1720万ドルに達しています。

「目立たないウェアラブル」を望む声に対する1つの答えとして、ピアスというフォームファクターはなかなか魅力的に映ります。

日本展開がアナウンスされていない点は残念ですが、2026年後半には、グローバル展開をさらに進め、2027年にはより多くの地域での販売を目指しているとのことです。

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