
GPD製品の国内正規代理店である天空は2026年10月23日、ポータブルゲーミングPC「GPD WIN Max 3」国内正規版のメディア向けお披露目会を開催しました。製品は9月24日に発表済みで、発売日は12月25日。価格(税込)は、Ryzen AI Max+ 388/32GB/1TBモデルが30万8000円、388/64GB/2TBモデルが39万8000円、Ryzen AI Max+ 395/128GB/2TBモデルが69万8000円です。GPDダイレクト、ハイビーム公式オンラインストア、Amazon.co.jpで予約を受け付けており、予約購入では3000円引きになります。
GPDのWINシリーズは、ゲーム機型の「GPD WIN」、キーボード付き小型機の「GPD WIN Mini」、UMPCやクリエイティブ用途を兼ねる「GPD WIN Max」の3ラインで展開しています。説明を担当した天空の山田氏によれば、GPDの出荷台数が最も多いのはWIN Maxシリーズとのことです。Max 3は、2022年登場のWIN Max 2から約4年ぶりの新筐体です。山田氏はMax 2の課題として、Webカメラとディスプレイが旧世代のままだったこと、ゲーム用途には重かったことを挙げていました。

バッテリーを外せば本体約815g。ファンを付けてミニPCにも
Max 3の特徴は、本体手前の底面に装着するモジュール機構です。標準で97Whのバッテリーモジュールが付属し、装着するとパームレストを兼ねます。マグネット式で工具なしに着脱可能。モジュールを装着せず、付属のカバーでふさいでおくこともできます。
オンラインで参加したGPDのWade氏は、着脱式の利点として、予備バッテリーで駆動時間を延ばせること、電源につないで遊ぶなら外して軽くできること、外部ディスプレイにつないでミニPCとして使えることの3点を挙げました。バッテリーの代わりに別売の冷却ファンモジュールを装着すれば、冷却を強化して性能を引き出せるとしています。給電はDC 180WとUSB PD 100Wの2系統で、バッテリーを外したときはDC給電で据え置き機のように動かす使い方を想定しています。

重量は本体のみで約815g、バッテリーモジュール装着時は約1.22kgです。Max 2(約1005g)より軽くなるのはバッテリーを外した状態に限られるため、軽さを生かせるのは電源のある場所が中心になりそうです。

9.06型165Hz有機ELと500万画素カメラ
ディスプレイは、10.1型・60Hzの液晶だったMax 2から、9.06型・2400×1504ピクセルの有機ELに変わりました。最大165HzとHDRを同時に使え、Gorilla Glass 6に指紋が付きにくいコーティングを施しています。狭額縁化によって、筐体はMax 2より一回り小さくなりました。Surface互換のスタイラス(別売)にも対応します。要望の多かったWebカメラは500万画素に強化され、スピーカーはDTS:X Ultraに対応しています。

Ryzen AI Max+ 388と395は用途で選び分け
CPUはRyzen AI Max+ 395(16コア32スレッド)と388(8コア16スレッド)の2種類で、内蔵GPUはどちらもRadeon 8060S(40CU)です。388はコア数が半分ですが、ベースクロックは3.6GHzと395(3.0GHz)より高めです。山田氏は、AI PCとして使うなら395、オフィスやクリエイティブ、ゲーム用途なら388を勧めていました。Radeon 8060SについてはGeForce RTX 4060並みの性能だとしています。

メモリはLPDDR5X-8000のクアッドチャネルで、CPUとGPUで共有します。128GBモデルでは最大96GBをVRAMに割り当てられ、AI性能は最大126TOPSです。GPDの担当者は、この395/128GBモデルを画面とキーボード付きのAIミニPCとして使える点を繰り返し挙げていました。
カードスロットはmicroSD Expressに
ストレージはM.2 2280に加え、空きのM.2 2230スロットを備えます。

SDカードスロットはMax 2のフルサイズSDから、Nintendo Switch 2でも使われているmicroSD Express(最大2TB)に変わりました。質疑でフルサイズSDを残さなかった理由を問われたGPDの担当者は、より汎用性が高く高速な規格を選んだと答えています。

なお、Max 2にあったOCuLinkはなくなり、外付けGPUはUSB4接続のグラフィックスドック「GPD G2」で対応します。
Max 2は併売。Max 3は上位モデル
Max 2ユーザーの要望で何を反映したのか、という質問に対し、Wade氏はMax 3がMax 2の改良版ではないと回答しました。Max 2は生産を続けて並行販売し、Max 3は画面と性能を高めた上位モデルとして新たに作ったとのことです。山田氏は、画面が一回り大きく20万円前後で買えるMax 2は、PC的な使い方を重視する人に向くと補足しました。予約数は想定を上回っており、GPDは需要に応じて増産する方針です。
主なスペック
| 項目 | GPD WIN Max 3 国内正規版 |
|---|---|
| CPU | Ryzen AI Max+ 395(16コア32スレッド)/388(8コア16スレッド) |
| GPU | Radeon 8060S(40CU) |
| メモリ | LPDDR5X-8000(クアッドチャネル)。388は32GB/64GB、395は128GB |
| ストレージ | 1TB/2TB(M.2 2280)+空きM.2 2230スロット |
| ディスプレイ | 9.06型有機EL、2400×1504ピクセル、最大165Hz、タッチ・スタイラス対応 |
| Webカメラ | 500万画素 |
| カードスロット | microSD Express(最大2TB) |
| 主なポート | USB4×1、USB 3.2 Gen2 Type-C×1、USB-A×2、HDMI 2.1、3.5mmヘッドセット端子 |
| 無線 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3 |
| バッテリー | 97Wh(着脱式)。駆動時間は軽負荷約8時間/標準約4.5時間/高負荷約2.5時間 |
| 給電 | DC 180W、USB PD 100W |
| サイズ | 約207×147×34mm(モジュール非装着時)/約207×180×34mm(装着時) |
| 重量 | 本体約815g、バッテリーモジュール約405g(装着時約1220g) |
Max 2との主な違い
| 項目 | GPD WIN Max 3 | GPD WIN Max 2 |
|---|---|---|
| ディスプレイ | 9.06型有機EL/最大165Hz | 10.1型液晶/60Hz |
| TDP | 45〜110W | 15〜35W |
| バッテリー | 97Wh(着脱式) | 67Wh(内蔵) |
| カードスロット | microSD Express | フルサイズSD |
| 外部接続 | USB4×1 | USB4×2、OCuLink |
| 重量 | 約815g(本体のみ)/約1220g(バッテリー装着時) | 約1005g |
そのほかの仕様
Max 2で好評だったマグネット式のジョイスティックカバーは継続しています。電源ボタンは指紋認証センサーを兼ね、ファン制御や性能モードを設定するユーティリティ「GPD Tool」をFn+Gキーで呼び出せます。



別売オプションは、冷却ファンモジュールが8800円(本体と同時購入なら4400円)、バッテリーモジュールが1万5000円、スタイラスが4000円(いずれも税込)。国内正規版には1年間の保証が付き、バッテリー交換や修理は国内の拠点で対応します。
携帯ゲーミングPCとしては価格帯が一段上がりましたが、395/128GBモデルにはAIミニPCとしての使い道も想定されています。ゲーム機として見るか、持ち運べるワークステーションとして見るかで、評価が分かれる製品ではないでしょうか。
