
ユーグリーン・ジャパン(以下、UGREEN)が、モバイルバッテリー「UGREEN Nexode Wavy」を発売しました。ラインナップは10000mAh・最大45Wモデルと、20000mAh・最大55Wモデルの2種類。価格は10000mAhモデルが7980円(税込)、20000mAhモデルが9980円(税込)です。カラーは10000mAhがシルバーとブラックの2色、20000mAhがブラックのみとなっています。
モバイルバッテリーの発火事故が続いたことを受けて、2026年4月24日搭乗分からは航空各社の機内での取り扱いも変わりました。ただ、ルールが厳しくなったところで、いま自分が持ち歩いているバッテリーの劣化具合などは、相変わらず外からは分かりません。本機は、そこに画面を付けてきた製品です。
今回、UGREENから10000mAhモデル(シルバー)を提供いただきましたので、実際に使いながら見ていきます。
モバイルバッテリーの「安全」は、これまで確かめようがなかった
2026年4月24日搭乗分から、国内の航空各社はモバイルバッテリーの取り扱いを変更しました。機内座席での使用や充電に制限がかかり、端子部分の絶縁処理も求められます。ANAの告知では、ワット時定格量160Wh以下で1人2個までという条件も示されています。※運用は航空会社ごとに異なります。搭乗前に、利用する航空会社の告知を確認してください。
こうしたルールは、事故が起きたときに気づきやすくし、被害を抑えるためのものです。ただ、2年前に買ったバッテリーが、カバンの中で何度になっているのか、容量がどれだけ落ちているのか。これまで明確な判断材料がありませんでした。
各メーカーは2年程度を目安に買い替えを推奨していますが、実際のところ、それを実行に移せる人は多くないのではないでしょうか。「最近容量が減ってきた気がするけどまだ使える」と使い続けるうちに、気が付いたら膨らんでいたということがありがちです。
UGREEN Nexode Wavyは、この「分からなさ」に対して、本体に付けた画面で情報を提供するという形で答えを出そうとしています。
外観とサイズ感 ─ ケーブル内蔵で211g
本体サイズは約10.9×6.9×1.8cm、重量は約211g(実測206.9g)です。10000mAhのモバイルバッテリーとしては標準的な数値で、特別軽いわけではありません。同容量帯の他社製品も、おおむね190〜220gの範囲に収まっています。

ただ、本機はUSB-Cケーブル(約22cm、20000mAhモデルは約18cm)を本体に内蔵しています。ケーブルはストラップとして利用する形で、耐久性が心配になりますが、便利ではあるでしょう。ケーブルを別に持ち歩く構成と比べれば実質的な重量差はほとんどなく、忘れて出かける心配がない分こちらのほうが気楽だと感じます。

ポートはUSB-C(入出力兼用)とUSB-Aが1つずつ。内蔵ケーブルと合わせて、最大3台まで同時に充電できます。

| 項目 | UGREEN Nexode Wavy 10000mAh 45W |
|---|---|
| 容量 | 10000mAh(3.6V) |
| 最大出力 | USB-C:45W/USB-A:22.5W/3ポート合計:15W |
| 最大入力 | 36W(0→100%で約2.5時間) |
| ポート | USB-C(入出力)、USB-A、内蔵USB-Cケーブル(約22cm) |
| 同時充電 | 最大3台 |
| 対応規格 | PD3.0、PPS、QC3.0/2.0、SCP、FCP、AFC ほか |
| サイズ | 約10.9×6.9×1.8cm |
| 重量 | 約211g(実測206.9g) |
| セル | ATL製リチウムポリマー |
| 充放電サイクル | 約800回後もバッテリー健康度80%以上 |
| カラー | シルバー/ブラック |
| 価格 | 7980円(税込) |
画面に何が表示されるのか
本機のいちばんの特徴が、本体前面のTFTディスプレイです。残量が4段階のLEDで示されるだけの一般的なモバイルバッテリーと違い、内部の状態がひととおり数字で出てきます。

表示できるのは次の項目です。
- バッテリー残量(%)
- ポートごとの出力(W)
- バッテリー健康度(%)/充電回数(サイク℉数)
- セル温度(℃/℉)
- セル電圧(V)
- セルの型番/シリアル番号
- 異常履歴

UGREENのモバイルバッテリーでは、これまでも残量や入出力の状態を表示できるものがありましたが、充電回数やバッテリー健康度、セルのシリアル番号などを確認できるのは目新しいところです。といっても、日常的に効いてくるのは温度と出力の2つでしょうか。
温度は、夏場に車内へ置きっぱなしにしたときや、カバンの中で他の荷物に圧迫されているときに意味を持ちます。これまでは触って熱いかどうかで判断するしかありませんでしたが、数字で出ていれば「まだ大丈夫な範囲か」を確かめられます。

出力(W)のほうは、充電が思ったより遅いときの切り分けに使えます。バッテリー側が20W出しているのにスマホの減りが追いつかないのか、そもそも5Wしか出ていないのか。前者ならスマホ側の負荷の問題で、後者ならケーブルか接続の問題です。これまではUSBチェッカーを挟んで確かめていた部分なので、本体だけで済むのは楽になります。

一方、バッテリー健康度と充電回数は、今日役に立つ情報ではありません。買った直後は100%ですし、サイクル数もしばらくは1桁台です。ただ、1年後2年後に「あと何年使えるか」を判断する材料にはなります。膨らむ前に買い替えを検討できるという意味では、こちらのほうが本質的な機能かもしれません。

異常履歴は、ボタンを5回連続で押すと呼び出せます。過去に保護動作が働いたことがあるかどうかを確認できる機能です。普段、気にする必要はありませんが、モバイルバッテリーの動作がおかしい(充電できない等)場合に確認してみるといいかもしれません。

Dymondcellとは何なのか ─ メーカーが公表している試験内容
本機のバッテリーセルには、UGREENが「Dymondcell」と呼ぶ技術が使われています。10000mAhモデルのセルはATL製、20000mAhモデルはBYD製です。
UGREENによれば、このセルは5項目の試験をクリアしているとのこと。釘刺し、圧壊、熱暴走、過充電、リチウム析出の5つで、条件としては4mmの釘を3回刺す、2.5トンの圧力をかける、135℃で1時間加熱する、といった内容が挙げられています。いずれも発火や破裂には至らなかったとのことです。充放電を800回繰り返した後もバッテリー健康度80%以上を維持するというのも、同社が公表している数値です。毎日充放電しても2年程度、週3回なら5年ほどは持つ計算になります。
同社は試験の様子を動画で公開しています。
競合となる製品の多くは、ここ1〜2年「半固体電池」を安全性の訴求点にしています。ただ、各社が公表している試験項目は釘刺しと圧壊の2つが中心です。
なお、項目数だけを見れば本機のほうが多いものの、試験条件は各社で異なるので、この数字をそのまま比較するわけにはいきません。
認証面では、PSEはもちろんのこと、CE、FCC、EAC、UKCA、CCCに対応しています。
充電性能を試す ─ 45W出力と同時充電の制限
USB-Cポート単体での最大出力は45Wで、PD3.0とPPSに対応します。USB-Aは最大22.5W。本体への入力は最大36Wで、0%から100%までがおよそ2.5時間です。
iPhone 17 Proを内蔵ケーブルで30分充電したところ、13%から70%まで、30分で57%の充電が行えました。UGREENは残量0%から30分で約66%としており、開始残量が違うので単純な比較はできませんが、公称に近い水準です。最大出力が45Wあるので、MacBook Airのような13型クラスのノートPCも充電可能です。

ただし、2〜3ポートの同時使用では、合計出力が最大15W(5V/3A)まで下がります。「3台同時充電対応」という書き方から想像する使い勝手とは、かなり差があります。1台を急速充電するのか、複数台をゆっくり充電するのか。この2つは同時には成立しないので、使い分ける前提で考えたほうがよさそうです。
発熱に関しては、超高熱伝導グラフェン複合放熱シートと高密度アルミ構造を採用により、優れた放熱設計を実現しているとのこと。UGREENは日常的な使用時(20V/2.25A放電)の本体平均温度を約40〜43℃としています。先ほどのiPhone 17 Proの充電時には、本体の温度表示は40℃でした。本機は自分の温度をディスプレイに出してくれるので、こういう検証を製品自身の表示で確かめられるのは面白いところです。
なお、20000mAhモデルの「55W」は、シャオミの独自急速充電規格での数値です。一般的なPD対応機器に対しては45Wになるので、シャオミ製スマートフォンを使っているのでなければ、2つのモデルに出力面での差はほぼありません。選ぶ基準は容量と重量になります。
気になった点
良い面ばかりではないので、引っかかった点をまとめておきます。
2台以上を同時に充電すると合計15Wは、前述のとおりです。ホテルでスマホ・イヤフォン・スマートウォッチをまとめて充電するような使い方なら問題ありませんが、急いでいるときには向きません。基本的には1台を充電するために使うというのが良さそうです。
内蔵ケーブルが傷んだときにどうなるかは、公式には情報が見当たりませんでした。本機はケーブルをストラップとして利用するので、内蔵バッテリーよりも先にケーブルが寿命を迎えると考えられます。ほかにもポートがあるので使い続けることはできますが、ここは交換可能な構造にしてほしかったところです。
価格は7980円(税込)。同容量帯のモバイルバッテリーは5000円台から選べるので、素直に高い部類です。安全機能にどれだけの価値を見るかで評価が変わる価格設定だと思います。なお、公式サイトでは執筆時点で20%OFFの6380円(税込)で販売されていました。
まとめ:バッテリーの状態が見えることに、7980円を払えるか
UGREEN Nexode Wavyの持つ45W出力も10000mAhも、いまとなっては珍しい仕様ではありません。安全性そのものは他社も訴求しているところで、本機を分けているのは、これまでブラックボックスだったバッテリーの状態を数字で見せる点でしょう。
価格は同容量帯としては高めですが、差額でいえば1500〜2000円程度。モバイルバッテリーを数年使うものと考えれば、判断としてはありだと思います。少なくとも、劣化に気づかないまま使い続けて膨らませるよりは、健康度が見えているほうが安心できます。
向いているのは、飛行機に乗る機会が多い人、モバイルバッテリーを長く使っていて買い替えどきが分からなくなっている人、夏場の車内など温度が上がりやすい環境で使う人です。一方で、とにかく軽さと安さを優先する人や、複数台をまとめて急速充電したい人にとっては、合計15Wの制限も含めて検討すべき点があります。
安全性を判断材料にできるモバイルバッテリーは、まだそれほど多くありません。買い替えのタイミングが近いなら、選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。
なお、UGREEN Nexode Wavyモバイルバッテリーが5%オフになるAmazonクーポンコードを提供いただきました。あわせてご利用ください。
- クーポンコード:「DREAMSAFE」
- 有効期限:2026年9月1日~2026年10月31日
- 対象製品:UGREEN Nexode Wavyモバイルバッテリーの3モデル

