
Rokidが、9月15日に新しいスマートグラス「Rokid Ai Glasses Style」を発売します。価格は6万4990円(税込)。全部入りスマートグラスのRokid スマートAIグラスとは違い、ディスプレイは搭載していません。カメラとスピーカーは搭載しており、構成としてはRay-Ban Metaに近いものとなっています。
今回、レビュー用に発売前のRokid Ai Glasses Styleを提供いただき、しばらく使ってみたので、Ray-Ban Metaと比較しつつ、紹介したいと思います。なお、Rokid スマートAIグラスと比較したレビューはITmediaのほうで掲載されていますので、併せてご覧ください。

外観
Rokid Ai Glasses Styleは、フレームが太めのメガネという印象ですが、左側にカメラを搭載しているのが特徴です。右側には撮影状態を示すインジケーターも搭載しています。

ディスプレイを搭載するためレンズ部がフラットだったRokid スマートAIグラスと比べて、レンズ部が大きく、やや湾曲しています。その意味では、より普通のメガネに近づいています。
度付きレンズも、このレンズに直接入れる仕様で、調光レンズは6色が用意されています。普段メガネを使わない人でも、サングラスとして使いやすく、その意味ではRokid スマートAIグラスよりも導入ハードルは低いかもしれません。
なお、公称の重量は38.5gですが、実測では45.9gありました。この38.5gは「レンズを除く本体重量」とのことです。メガネの重さを表すのにレンズを含めないのはどうなのかと思わなくもないですが、度を入れるとレンズの厚みなどで重さが変わるので、仕方がないのかもしれません。
ともあれ、手元にあるRokid スマートAIグラスは、度付きのインナーレンズを装着した状態で実測60gだったので、大幅に軽くなっているのは確かです。なお、Ray-Ban Metaは実測で52.2gありました。
ノーズパッドはフレーム一体型に変更になっており、そのフレーム部分に取り外し可能なクッションが装着できるようになっています。フレーム一体型は調整幅が少なく、鼻が低い人には収まりが悪くなることもありますが、このクッションのおかげなのか、装着感は良好です。

右側テンプルがタッチパッドになっており、タップやスワイプ操作に対応しています。テンプルの先には充電端子があり、専用のマグネットケーブルで充電を行います。この部分はRokid スマートAIグラスと共通(バッテリー容量も210mAhで共通)なので、別売りのカプセル充電器を装着することも可能です。

機能
機能的には、Rokid スマートAIグラスからディスプレイを使う機能を除いただけで、できることはほぼ共通です。アプリのメニューにあるのは、「ノート」「翻訳」「ナビゲーション」「会議メモ」「ライブ」「視覚サポート」の6つ。このうち、よく使うのは「翻訳」でしょうか。
76言語に対応しており、マイクで拾った音声を翻訳、スピーカーから日本語で再生してくれます。また、日本語、英語、中国語簡体、スペイン語、ドイツ語、フランス語に関しては、ネットに接続せずローカルでの翻訳にも対応しています。
ディスプレイで翻訳した文章を確認できるRokid スマートAIグラスと違い、音声での再生となるので、長文や1人が延々と話し続けるスタイルだと、少しずつ翻訳が遅れていきます。対面での日常会話くらいのペースなら問題なさそうですが、プレゼンなどでは使いづらそうです。

ナビゲーションに関しては、Googleマップのナビゲーションそのものです。Rokid スマートAIグラスの場合は簡易なマップをディスプレイに表示するため、専用アプリを使うメリットがありました。ただ、Rokid Ai Glasses Styleでは音声案内がGoogleマップと同じ内容になるので、あえて専用アプリを使う理由を感じません。
「Hi Rokid、徒歩で〜まで案内して」でナビゲーションを始められるのは楽と言えば楽ですが、それぐらいはアプリを開いて検索してもいいのではという気もします。Googleマップなら、スマートウォッチにナビゲーションを表示できるものもあるので、そちらのほうが便利でしょう。
Rokid Ai Glasses Styleが一番活躍するのは、カメラを使った機能です。自分視点でのハンズフリー撮影はもちろんのこと、「Hi Rokid、これは何?」「Hi Rokid、翻訳して」といった使い方が素直に便利です。

AI機能に関しては、Rokid スマートAIグラスと同じで、GeminiとChatGPTに対応。デフォルトでは自動選択となっていますが、明示的に選ぶことも可能です。

Ray-Ban Metaと比べてみた
せっかくなので、同じディスプレイ非搭載、カメラ、スピーカー搭載という構成の「Ray-Ban Meta(Gen 2) Headliner」と、いくつかの機能について比べてみました。

目の前のものについて、「これは何?」
まず、目の前にあるものに関して、「これは何?」という問いかけ。Ray-Ban Meta(というかMeta AI)は、目の前にある風景を説明しようとします。目の前にある「これ」について聞きたい場合は、もっと詳しく質問しなければいけません。
これに対してRokidは、目の前にあるものの中から、(こちらが聞きたいであろう)特徴的なものについて回答してくれます。賢さというか、こちらの意図を汲んでくれる能力に関しては、Rokidのほうが明確に上です。

翻訳
次に翻訳について。これは同じようなものです。ただ、Rokidは文章の区切りがはっきりしてから翻訳を開始、Metaは文章の途中でも逐次翻訳をしていくという感じなので、Metaのほうが若干精度は落ちる気がします。なお、どちらも、長文が続くと少しずつ翻訳が遅れていくというのは共通です。

ナビゲーション
ナビゲーションは、Meta AIは日本での音声ナビゲーションに対応していません。「案内して」と依頼すると、スマートフォン上でGoogleマップを開きました。これはこれで便利かもしれませんが、機能的な比較はできないでしょう。なお、海外の一部地域では音声でのナビゲーションに対応しているので、そのうち日本でも使えるようになるかもしれません。
タイマー設定
このほか、RokidもMetaも「3分計って」というようなタイマー設定はできませんでした。ただ、Rokidは「1分経ったら通知して」ということは可能です。といっても、1分のタイマーを設定するわけではありません。指示したのが12時10分だった場合、12時11分になったら通知をしてくれるというものです。12時10分30秒や45秒に指示したとしても、12時11分になると通知します。
ようするに、タイマー機能ではなく時間指定のリマインダーです。これで十分かもしれませんが、せっかくなら気軽にタイマーを設定できるようにしてほしいところです。
写真
Rokid Ai Glasses StyleとRay-Ban Meta(Gen 2)はどちらも1200万画素のカメラを搭載しています。写真写りに関しては、Rokidのほうが発色がいいというか、若干加工している印象が強めです。以下は、いずれも左がRay-Ban Meta、右がRokid Ai Glasses Styleで撮影したものです。



どちらがいいかは好みの問題かと思いますが、拡大してみると、Ray-Ban Metaのほうが高精細です。

どちらがいいか:AI機能重視ならRokid、写りと見た目ならRay-Ban Meta
Rokid Ai Glasses StyleとRay-Ban Meta、どちらを選べばいいのか。主なスペックを並べたうえで、それぞれの良い点(◯)と気になる点(△)を挙げてみます。
| 項目 | Rokid Ai Glasses Style | Ray-Ban Meta(Gen 2) | Rokid スマートAIグラス |
|---|---|---|---|
| ディスプレイ | なし | なし | あり |
| 重量(実測) | 45.9g | 52.2g | 60g(度付きインナーレンズ装着時) |
| バッテリー | 210mAh | 最大8時間駆動(非公式で210mAhとも) | 210mAh |
| 翻訳 | 76言語(うち6言語はオフライン対応) | 20言語 | 89言語(うち6言語はオフライン対応) |
| 価格(税込) | 6万4990円 | 7万3700円〜 | 10万9890円 |
Rokid Ai Glasses Style
- ◯ AIがこちらの意図を汲んで回答してくれる(Meta AIとの比較)
- ◯ 日本で利用できる機能が豊富(音声ナビゲーション、視覚サポートなど)
- ◯ ベースがAndroidなので、アプリ開発などが比較的楽。コミュニティも活発
- △ 写真の精細感はRay-Ban Metaに劣る
- △ 実機を触れる場所が限定的
- △ 普通のメガネに近づいたものの、デザインは少々野暮ったい(個人の感想)
Ray-Ban Meta
- ◯ 写真が高精細
- ◯ 実機に触れられる場所が比較的豊富
- ◯ 見た目が普通のメガネ(サングラス)と遜色ない
- △ 日本で使える機能が限定的(音声ナビゲーションに非対応)
- △ AIの回答精度がいまひとつ
結局のところ、好きな方でというのが素直な答えとなりますが、現状、AI機能を重視するのであれば、Rokid Ai Glasses Styleではないかと思います。AIはそれほど重視はせず、単にカメラ機能を使いたいということであれば、どちらでも問題ありませんが、Ray-Ban Metaのほうが、若干写りはいいと感じます。
価格は6万4990円(税込)です。ディスプレイを搭載するRokid スマートAIグラスと比べると4万円以上安く、Ray-Ban Meta(7万3700円〜)と近い水準に収まっています。ディスプレイなしという構成を踏まえれば、妥当な価格設定ではないでしょうか。

