
GNオーディオジャパンは2026年9月9日、Jabraブランドのプロフェッショナル向けヘッドセット「Evolve3」シリーズに、「Jabra Evolve3 65 Flex」「Jabra Evolve3 65」「Jabra Evolve3 45」の3モデルを追加すると発表しました。いずれも2026年9月に販売を開始します。
Jabra公式サイトでの販売価格(税抜)は、Evolve3 65 Flex(ワイヤレス充電パッドなし)が5万1100円、Evolve3 65(片耳モデル/充電スタンドなし)が4万400円、Evolve3 45(片耳モデル/充電スタンドなし)が2万6600円です。
Evolve3シリーズは2026年3月3日に発表された「Evolve3 85」「Evolve3 75」が第1弾で、今回の3モデルはその続きにあたるミドルレンジ以下のラインです。3月の発表会で安藤社長が「2026年後半にミドルレンジモデルを投入予定」と話していた製品が、これにあたります。

同社は3月の発表を「Wave 1」、今回を「Wave 2」と位置づけています。Wave 2の3モデルはすべてワイヤレス(Bluetooth)モデルで、有線モデルは別系統として継続するとのことです。

用途別に3モデルを用意
3モデルは働き方ごとに設計を分けているのが特徴です。
Evolve3 65 Flexは、オフィス・自宅・外出先を行き来するハイブリッドワーカー向けのモデルです。ブームアームを持たず折りたたみに対応し、キャリーケースが付属します。4マイク構成のAdaptive ANCと風切り音への適応機能を備え、あらゆる環境で95%以上(同社社内試験による)の音声集音精度を実現しているとのことです。バッテリーは連続通話で最大16時間、音楽再生で最大80時間。ワイヤレス充電にも対応します。


Evolve3 65は、オープンオフィス向けのブームアーム搭載モデルです。装着状態と周囲の騒音に応じてノイズキャンセリングを自動最適化するAdaptive ANCを搭載し、左右どちらにも装着できるリバーシブルマイクブームを採用。ブームを跳ね上げるとミュート、下げると通話という操作になります。連続通話は最大31時間、音楽再生は最大59時間です。両耳タイプと片耳タイプをラインアップします。

Evolve3 45は、デスクワーク中心の利用を想定したシリーズ最軽量(約100g)のオンイヤー型です。3マイク構成で、ANCはオン/オフの切り替えのみとなります。連続通話は最大21時間、音楽再生は最大36時間です。両耳タイプと片耳タイプをラインアップします。
| 項目 | Evolve3 65 Flex | Evolve3 65 | Evolve3 45 |
|---|---|---|---|
| 想定ワークスタイル | ハイブリッド/フレキシブル | オープンオフィス | デスクワーク |
| 装着方式 | オンイヤー | オンイヤー | オンイヤー |
| ブームアーム | 非搭載 | 搭載 | 搭載 |
| 折りたたみ | 〇 | × | × |
| スピーカーサイズ | 28mm | 28mm | 20mnm |
| ANC | Adaptive ANC | Adaptive ANC | ANC |
| 連続通話 | 最大16.5時間 | 最大31時間 | 最大21時間 |
| 音楽再生 | 最大80時間 | 最大59時間 | 最大36時間 |
| ワイヤレス充電 | 〇 | × | × |
| 重量 | 143g | 131g(ステレオモデル)/79g(モノラルモデル) | 102g(ステレオモデル)/63.5g(モノラルモデル) |
3モデルに共通するのは、話者の声を分離する「Jabra ClearVoice」、通話時のANC、Bluetooth Low Energy(BLE)接続、Jabra Plusによる一元管理への対応です。USBアダプターが同梱され、PCとスマートフォンへの同時接続に対応します。バッテリーとイヤークッションは交換可能で、再生素材も使われています。

ブームアームなしで距離を稼ぐ仕組み
エンタープライズ営業部 部長の藤由氏は、ブームアーム非搭載の65 Flexについて、従来のリアルタイム学習に加えて人間の会話の音素をあらかじめ学習させたディープニューラルネットワーク(DNN)を載せることで、口元からの距離をカバーできるようになったと説明しました。距離を伸ばすと周囲の音だけでなく話者の声まで消えてしまう課題があったものの、それをクリアできたとしています。

音声集音精度については、Evolve2では換算で最大94%だったものが、Evolve3では発売時点であらゆる環境で96%、オフィス環境では99%になったと同氏は説明しています。

接続面では、ビジネス用ヘッドセットとしては自社が初めてBLEでの接続に対応したとしており、従来必須だったドングルを介さずPCのBluetoothに直接つなげるようになったと説明。LC3オーディオへの対応で音質も向上したとのことです。

一方で、ブームアームがないぶんミュート状態を見た目で判断しにくい点については、ボタン操作でミュート/アンミュートはできるものの、ブームアームがあったほうが分かりやすいとして、デザインとのトレードオフだと説明しました。
「自席のWeb会議に満足」は38%
発表会の冒頭では、代表取締役社長の安藤靖氏がオンライン会議の環境に関する調査結果を紹介しました。20代から50代のビジネスパーソン400名を対象にした調査で、自席でのWeb会議に満足しているのは38%、周囲の音や相手の音が気になって満足できていないのが33%。会議室を探したものの空いていなかった経験があるのは約52%だったとのことです。

聞き直しの発生については、ストレスに感じるという回答が43%。一方で、こうした課題に企業として取り組んで改善したのは13%にとどまり、半数以上が「取り組みたいが手を付けていない」状態だとしています。

ワイヤレスヘッドセットの比率にも触れ、同社の売上金額に占めるワイヤレスの割合は欧州で53%、北米で約40%、アジア太平洋で35%なのに対し、日本は約30%にとどまるとのこと。ただし2024年から2025年にかけて日本のワイヤレス売上は20%伸びており、有線からの置き換えが進んでいるとしています。
同社は第三者機関としてロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)に依頼し、表情分析やアイトラッキング、心拍数などのデータを使って会議のエンゲージメントを測る調査も実施したとのこと。1人あたり1秒間に500データポイントを取得し、対面が最も良好で、それに次ぐのがJabra製デバイスを使ったリモート会議だったと説明しました。
発売前の評価アンケートについても紹介があり、33社35名からの回答で、Evolve3 65 Flexに「非常に満足」「満足」と答えたのが97%、普段のデバイスから改善したという回答が83%、継続して使いたいという回答が94%だったとしています。

野村證券が9000台を一括導入
発表会には、Evolve3 65の大規模導入を決めた野村證券のITインフラストラクチャー部 オフィス基盤課長 佐藤氏が登壇しました。

同社は本社2拠点のうち1拠点で以前のEvolveシリーズを全員に配布済みで、今回は大手町から日本橋の新本社へ移転するタイミングに合わせ、もう1拠点の従業員向けにEvolve3 65を9000台一括で調達するとのことです。今年末から約1年をかけて、移転にあわせて順次配布する計画としています。片耳モデルと両耳モデルを半々で用意し、利用者が選べるようにするそうです。

選定理由として佐藤氏が挙げたのは、マイク性能とワイヤレス対応の2点です。新本社は1人あたりの面積がやや狭く、自席でのオンライン会議が増えるためマイク性能を重視したとのこと。ワイヤレスヘッドセットを標準品にするのは同社として初めてで、サポート面の不安はあったものの、Evolve2の55などと比べて電源やコントロールの操作がしやすくなっている点と、有線ケーブルが同梱されていて困ったときは有線で使える点が後押しになったと話しています。
価格については、ヘッドセット単体で見れば安くはないとしたうえで、会議室の設置コスト(ガラス張りの10人用会議室で1000万〜2000万円、ワークブースは1台200万円程度)やオフィスの賃料と比較すれば桁が違うため、費用対効果は十分だという説明でした。標準品を1モデルに絞る理由についても、複数の標準品があるとユーザーもサポート側も混乱するため、1つで完結するモデルを選んでいると述べています。
