余った2280 SSDを再活用。iPhoneに貼れるORICOのSDスロット付きSSDケースを試す【PR】

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ここ1〜2年で、ストレージの価格はかなり上がりました。価格.comの外付けSSD売れ筋ランキング(2026年10月25〜31日集計)を見ると、1TBモデルは最安クラスでも1万7800円。SanDiskのエクストリーム V2(1TB)は3万円を超えています。

これだけ高いと、新しく買う前に、手元に余っているSSDを活用できないかと考えたくなります。PCの換装などで使わなくなったM.2 SSDも、外付けケースに入れればポータブルSSDとして使えるので、完成品を買うより安く済みます。

ORICOから、M.2 2280サイズのNVMe/SATA SSDに対応した外付けケース「S003」が発売されています。接続はUSB 3.2 Gen 2(10Gbps)で、SDカードスロットも備えています。背面のマグネットでiPhoneに貼り付けて使えるのが特徴です。価格は6599円(税込)、カラーは銀とオレンジで、SSDは別売です。

今回、ORICOから製品を提供いただいたので、PCとiPhone 17 Proで試してみました。

2280のSSDが使えるマグネット式ケース

スマートフォンの背面に貼るタイプのSSDケースは、2230や2242といった短いSSD向けのものが中心です。以前レビューしたHAGiBiSのフロッピーディスク型ケースも、2230/2242専用でした。

見た目はフロッピー、中身は10Gbps SSD。HAGiBiSの遊び心ケースを試す
Aliexpressで面白いSSDケースを見つけたので購入してみました。HAGiBiSの「Floppy Disk Style SSD Enclosure」です。購入時の価格は2870円でした。日本のAmazonでも売っていますが、4999円…

一方、デスクトップPCやノートPCで使われているM.2 SSDは2280が主流です。PCのSSDを大容量のものに換装したときに余りやすいのも、このサイズではないでしょうか。S003は、この2280に対応したマグネット式ケースです。今回は、引き出しに眠っていたSamsung SSD 980(1TB)を入れて試してみました。

なお、Amazonでは同じORICOから2230/2242対応のマグネット式ケースも販売されています。手持ちのSSDのサイズに合わせて選ぶ形になります。

スペック

項目内容
型番S003
対応SSDM.2 2280(NVMe/SATA)、最大4TB
インターフェースUSB 3.2 Gen 2 Type-C(10Gbps)
カードスロットSD3.0
給電バスパワー(パススルー給電非対応)
筐体アルミニウム合金
サイズ約92.3×61.7×8.2mm
重量公称72g(SSD 980装着時の実測82.2g、ケーブル込み88.2g)
カラー銀、オレンジ
価格6599円(税込)

2280が入るとは思えない薄さ

本体サイズは約92.3×61.7×8.2mm、重量は公称72g。SSD 980を入れた状態の実測値は82.2gで、付属のケーブルを付けると88.2gでした。2280のSSDを収めるケースとしては、かなり薄く仕上がっています。

筐体はアルミ合金製で、質感は良好です。背面には円形のマグネットがあり、本体から数mm飛び出した形になっています。

そのためiPhoneに貼ったときはケースが少し浮いた状態になりますが、ケースの熱をiPhoneに直接伝えにくくする狙いもありそうです。

▲iPhone本体から少し浮きます。そして、縦棒部分のマグネットは、よく見ると貼り付いていません

端子はUSB-CとSDカードスロットの2つだけです。給電用のポートはなく、パススルー給電には対応していません。iPhoneにつなぐと、SSDの電力はiPhoneのバッテリーから供給されることになります。

▲SDカードスロットはフルサイズ

付属品は、短く柔らかいUSB-Cケーブル、ドライバー、予備のネジです。ドライバーは先端に磁力があり、小さなネジを扱いやすくなっています。

▲付属品

SSDの取り付けはネジ1本。ただし2280専用

SSDの取り付けは簡単です。側面のネジを1本外すとケースが開くので、SSDを端子に差し込み、付属のネジで固定して閉じるだけ。工具も付属のドライバーで済みます。

▲ネジ1本でケースが開きます

NVMe(M key)とSATA(B+M key)の両方に対応しているので、ノートPCから外したSATAのM.2 SSDも使えます。今回はNVMeのSSD 980のみで試しました。

注意したいのは、2280専用である点です。基板には2230のSSDを固定できそうな穴もありますが、ネジを受けるためのメネジ(スペーサー)は付いていません。基板がケースの内側に密着する作りなので、裏側からスペーサーを立てることもできず、2230や2242のSSDは差し込めても固定できません。

▲2230や2242が取り付けられるような雰囲気ですが、スペーサーがありません

ちなみに、2280の位置にあるスペーサーは基板にハンダで固定されています。これを外して2230の位置に付け替えれば、2230のSSDも使えるようになると思います。ただし、ハンダごてを使う改造になり、メーカーの保証も受けられなくなる可能性があります。試す場合は自己責任で、という前提になります。

▲基板裏側

速度は約1000MB/sで頭打ち

PCにつないで、CrystalDiskMark 9.0.3で速度を測りました。テストサイズは1GiB、回数は3回です。

▲CrystalDiskMarkの結果

シーケンシャルは読み込み約930MB/s、書き込み約990MB/s。10Gbps接続のケースとしては、ほぼ上限まで出ています。同じ10Gbps対応のHAGiBiSのケース(KIOXIAのSSDで計測)も、読み込み918.66MB/s、書き込み909.38MB/sで、ほぼ同じ水準でした。

もっとも、SSD 980自体は公称で読み込み最大3500MB/s、書き込み最大3000MB/sのSSDです。ケースに入れると、書き込みでもSSD本来の3分の1程度に抑えられます。ケース側の10Gbpsが上限になるので、PCIe 4.0以降の速いSSDを入れても、速度はほとんど変わらないはずです。余ったSSDを使い回す用途なら、気にするところではないと思います。

小さなファイルを読み書きするランダムアクセス(特にRND4K Q1T1)は、USBの変換を挟む外付けケースでは伸びにくい部分です。OSやアプリを入れて使うより、動画や写真などの大きなファイルを保存・移動する用途に向いています。

発熱は撮影中に50℃を超える

アルミ筐体は、SSDの熱をケース全体で逃がす作りです。CrystalDiskMarkを数回続けて実行した後の表面温度は、約45℃でした。後述するiPhoneでのProRes撮影中は約51℃まで上がっています。いずれも室温25℃、湿度56%の環境で測った値です。

熱をため込まずに外へ逃がしているとも言えますが、iPhoneに貼って手持ちで撮影すると、指が触れる位置でもあります。長時間触れ続けないよう、持ち方には少し気を配ったほうがよさそうです。

▲温度測定の様子

iPhone 17 ProでProRes録画。4K/120fpsは3分程度まで

iPhone 15 Pro以降のProモデルは、USB-Cで接続した外部ストレージにProRes動画を直接記録できます。Appleのサポートページでは、exFATでフォーマットしたストレージを使うこと、4K/60fpsでは220MB/s以上、4K/120fpsでは440MB/s以上の書き込み速度が必要なことなどが条件として挙げられています。

iPhone 17 ProにS003を貼り、SSD 980へのProRes記録を試しました。iPhoneからの給電だけでSSDは問題なく認識され、ファイルアプリからもアクセスできます。付属ケーブルは短く柔らかいので、iPhoneの背面に貼った状態でも取り回しに困ることはありませんでした。

▲iPhoneの背面に貼り付けて動画を撮影
▲SSDもSDカードもiPhoneからはUntitledとして認識されていました
▲Android(Galaxy Z Fold 8)からはRTL9210として認識されました

撮影したのは、ProRes HDRの4K/30fps、4K/60fps、4K/120fpsの3パターンです。撮影したファイルはPCに移して、コマ落ちの有無を確認しました。

  • 4K/30fps:問題なく録画できた
  • 4K/60fps:5分を過ぎたあたりからコマ落ちが発生
  • 4K/120fps:1分程度なら問題なし。3分過ぎからコマ落ちが発生

4K/60fps、120fpsで10分撮影したときは、撮影終了時に「録画書き込みスピード不足」という警告が表示されました。メッセージは「外部ストレージデバイスまたはUSBケーブルの書き込み速度が不十分なため、外部ストレージでの録画には対応できません。」というものです。

▲4K/60fpsで10分撮影した後に表示された警告。接続時ではなく、撮影を停止したタイミングで表示されました

撮り始めは問題なく、一定時間を過ぎてから記録が追いつかなくなります。PCでの書き込みは約990MB/sで、Appleが4K/120fpsに求める440MB/sを大きく上回っています。また、SSD 980は書き込みキャッシュを使い切った後も最大900MB/sで書き込めるとされています。速度が最初から足りないわけではありません。

ケーブルを付属品から別のものに替えても、S003をiPhoneから離してケーブルでぶら下げても、3分過ぎからコマ落ちするという結果は変わりませんでした。マグネットでiPhoneに貼っていることが原因ではないようです。

比較のために、SamsungのポータブルSSD「T7」をiPhoneから離した状態で試すと、4K/120fpsで5分ころからコマ落ちが発生しました。T7のほうが長く持つものの、長回しで記録が追いつかなくなる点は同じです。S003に限った問題ではないと言えます。

▲Samsungの外付けSSD「T7」でも似たような結果でした

時間がたつにつれて書き込みが遅くなることから、発熱によってSSDや変換チップが速度を落としているのではないかと思います。ただ、今回の検証では、SSD側とケース側のどちらが主な原因かまでは切り分けられていません。

実用面で言えば、4K/30fpsならある程度の長回しでも問題ありません。4K/120fpsでも、1〜2分程度のカットに分けて撮る使い方なら十分使えます。一方、4K/60fps以上で数分以上の長回しをしたい人には、今回の環境ではおすすめしにくい結果でした。

▲サーマルパッドを貼ってもあまり効果はありませんでした

SDカードリーダーとしても使える

S003はSDカードスロットも備えており、カメラで撮ったSDカードのデータをiPhoneやPCに直接取り込めます。SSDとSDカードを同時に挿した状態でも、PC、iPhoneとも両方がドライブとして認識されました。SSDを入れない状態でも、SDカードリーダーとして使えます。

▲SDカードを挿したところ

SDカードの転送速度も測ってみました。カードはSamsungのmicroSDカード「EVO Plus」(64GB、UHS-I U3)で、付属のSDカードアダプターに入れて使いました。比較のため、同じカードをASUSのノートPC「ROG Flow X13(GV302XI)」の内蔵SDカードスロットでも計測しています。

▲SDカードの計測結果(左:S003、右:ROG Flow X13の内蔵スロット)

読み込みは、PC内蔵スロットより1割ほど低い結果でした。書き込みはどちらも60MB/s台後半で、差はほとんどありません。書き込みはカード側の速度で頭打ちになっていると考えられます。

読み込みの差を取り込み時間に置き換えると、計算上は10GBのデータで約1分54秒(S003)と約1分42秒(内蔵スロット)、12秒ほどの違いです。UHS-Iの規格上の上限は104MB/sなので、S003もそれに近い速度は出ています。

なお、スロットはフルサイズのSDカード用です。今回のようにmicroSDカードを使う場合は、アダプターが必要になります。

まとめ:2280のSSDが余っているなら、有力な選択肢のひとつ

S003は、手元の2280のM.2 SSDを、iPhoneに貼れる外付けストレージに変えられるケースです。薄いアルミ筐体に2280のSSDとSDカードスロットを収めていて、PCではSSD 980で約1000MB/sの速度が出ました。

6599円という価格は、1TBの外付けSSDが2万円前後する今の相場を考えると、余ったSSDがある人にとっては手を出しやすい金額でしょう。ただし、パススルー給電には対応していません。充電しながら撮影したい人は、PD給電ポートを備えた同社の別モデルを検討したほうがよさそうです。

iPhoneでのProRes録画は、4K/30fpsなら問題なく、4K/120fpsも短いカットなら撮れました。4K/60fps以上で数分以上の長回しをしたい人は、今回の結果を踏まえて検討してみてください。

こんな人に向いている

  • PCの換装などで、2280のM.2 SSDが余っている人
  • iPhoneのProRes動画を、4K/30fps、または短いカット中心で外部SSDに記録したい人
  • カメラのSDカードをiPhoneやPCに取り込む機会が多い人

合わないかもしれない人

  • 2230や2242のSSDを使いたい人
  • 10Gbpsより速い転送速度を求める人
  • 充電しながら長時間撮影したい人
  • ProResの4K/60fps以上で、数分を超える長回しをしたい人

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