
米カリフォルニア州のMinimal Companyは、物理QWERTYキーボードを備えたAndroidスマートフォン「Minimal Phone 2」のクラウドファンディングをKickstarterで開始しました。出荷予定は2026年12月で、キャンペーンの締め切りは日本時間9月10日1時です。
価格は8GB+256GBモデルが599ドル、8GB+512GBモデルが675ドル(Early Bird、数量限定)または699ドル。Kickstarter限定の「Founders Edition」は12GB+512GBで899ドルです。目標額10万ドルに対し、8月11日時点で78万ドルを超え、支援者は1200人を上回っています。
Minimal Companyは2023年に設立された南カリフォルニアのメーカーで、創業者はArmen Youssefian氏。初代「Minimal Phone」は2024年2月にIndiegogoで公開され、75万7547ドル・1939人の支援を集めて、2024年末から2025年初めにかけて出荷されました。今回はプラットフォームをKickstarterに移しての2世代目となります。

E Inkをやめ、3.92型の有機ELへ
初代を特徴づけていたモノクロE Inkパネルは、2世代目では採用されていません。搭載するのは3.92インチのAMOLED(有機EL)で、解像度は1080×1240、リフレッシュレートは90Hzです。
初代のパネルは4.3インチ・230ppi・アスペクト比4:3のモノクロE Inkでした。直射日光下でも見やすくバッテリー消費が小さいという利点がある一方、残像が残ることやタップから画面反映までのラグがあったとのこと。有機ELへの変更は、この「読む以外の操作がしにくい」部分に手を入れたものと位置づけられます。
もっとも、E Inkは「画面が退屈だから見なくなる」という初代のコンセプトを支えていた要素でもあります。Minimal Companyは、注意を奪わない設計はソフトウェア側で担保するという説明をしており、ハードで課していた制約をソフトに移した形です。
本体は小型化、筐体はアルミへ
サイズは122.6×72×9.48mm。初代の144×79×8.6mmから縦横ともに小さくなり、厚みは約0.9mm増えました。筐体は角張った樹脂ボディから曲面のアルミボディに変わり、初代でAltキーの近くにあったフロントカメラは画面の上に移動しています。

カラーはOnyx(アノダイズ処理の黒に近い色)とPearl(ブラッシュド加工の軽合金/オフホワイト)の2色。これに加えて、Kickstarter限定のFounders Edition用にEmber(アノダイズのオレンジ)が用意されます。Emberはキャンペーン終了後は作らないとしています。
キーボードはメタルドームスイッチに変更
物理QWERTYキーボードは継続して搭載されます。キーにはバックライトが入り、ショートカットの割り当て変更に対応。スイッチにはメタルドームが使われます。

入力系ではこのほか、本体上部にプログラマブルスイッチを備えます。初期設定ではセルラー通信と位置情報を一度にオフにする用途が割り当てられており、用途は変更できるとのことです。通知LEDはアプリごとに色を設定できます。

Minimal OSはAndroidベース、Play ストアは認証取得中
搭載するMinimal OSはAndroidをベースにしたもので、アプリのグリッドをコマンドバーに置き換え、メッセージ・通話・メールをひとつの「Hub」にまとめる構成です。使用時間を抑えるための機能として、Focus Hoursと1日あたりのスクリーンタイム上限も用意されます。
ホーム画面が合わなければ任意のAndroidランチャーを入れて既定に設定でき、ブートローダーのアンロックにも対応します。サポート終了後にカスタムROMを入れられる点は、FAQで明言されています。
一方、Google Mobile Services(GMS)については「認証取得を進めており、量産機にPlay ストア、Google Play 開発者サービス、Google Play プロテクトを搭載することを目標としている」という書き方です。
| 項目 | Minimal Phone 2 |
|---|---|
| ディスプレイ | 3.92インチ AMOLED、1080×1240、90Hz |
| プロセッサ | MediaTek Dimensity 8300 |
| メモリ/ストレージ | 8GB+256GB/8GB+512GB(Founders Editionは12GB+512GB)、microSD非対応 |
| カメラ | 背面5000万画素 F1.8/前面2000万画素 |
| バッテリー | 3000mAh、27W有線充電、15W Qiワイヤレス充電 |
| 通信 | 5G(sub-6)、4G LTE、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.4、NFC、VoLTE |
| SIM | nanoSIM+eSIMのデュアルSIM |
| 端子 | USB 3.2 Type-C(DisplayPort出力/USB-Cオーディオ)、3.5mmオーディオジャック |
| その他 | 側面指紋センサー、デュアルスピーカー、デュアルマイク、通知LED、プログラマブルスイッチ |
| サイズ | 122.6×72×9.48mm |
| カラー | Onyx/Pearl/Ember(Founders Edition限定) |
| OS | Minimal OS(Androidベース)、ブートローダーアンロック可 |
| 価格 | 8GB+256GB:599ドル、8GB+512GB:675ドルまたは699ドル、Founders Edition:899ドル |
| 出荷予定 | 2026年12月 |
日本から支援する場合に確認したいこと
Minimal Companyは全世界に発送するとしており、関税・輸入諸税・現地の税金はバッカー負担です。
通信面については、5G(sub-6)と4G LTEに対応し、北米・欧州・アジアと豪州の大半をカバーするバンド構成にしているとFAQで説明されています。ただし、具体的な対応バンドの一覧はKickstarterページのSpecificationsセクションを確認するよう案内されており、契約中のキャリアと照合してから支援するようにと書かれています。国内で使う際の技術基準適合証明(技適)については、FAQに記載を確認できませんでした。
また、初代では、日本語IMEと物理キーボードの互換性がなく、日本語は入力できるものの記号キーやショートカットが正しく機能しないという問題が報告されていました。当時Minimal Companyは修正に取り組んでいるとコメントしていたとのことです。
まとめ
Minimal Phone 2は、物理QWERTYという初代の中心を残したまま、E Ink・4G・樹脂ボディという制約側の要素を入れ替えた製品だと言えるでしょう。「スクロールを減らす」というコンセプトの担い手を、ハードウェアからソフトウェアに移したモデルという見方もできます。
初代のE Inkに惹かれて買った人にとっては、その理由がそのまま失われるアップデートです。一方で、物理キーボードのあるコンパクトなAndroid機がほしかったものの、E Inkの動作の重さで見送っていた人には、あらためて検討する余地が出てきたのではないでしょうか。
支援するかどうかは、GMS認証の行方、対応バンド、日本語入力、そして出荷時期という4点をどう見るかで変わってきそうです。少なくとも12月の出荷までは、アップデートを追いながら判断する形になると思います。
