
BLUETTI JAPANは2026年8月27日、ポータブル電源「FridgePower」のメディア向け先行体験会を、東京・秋葉原のBLUETTIストア秋葉原店で開催しました。冷蔵庫のバックアップ電源という用途を正面に置いた製品で、9月1日11時から応援購入サービス「Makuake」でクラウドファンディングによる先行販売を始めます。

出発点は「停電時に守りたいのは冷蔵庫」という調査結果
同社がまず示したのは、2026年に日本全国の20〜70代男女2500名を対象に実施したという自社調査でした。「停電時に守りたいもの」を尋ねた結果、食品・冷凍食品が36.0%、作り置き・備蓄が7.6%、要冷蔵薬が5.0%、ペットフードが1.6%と、冷蔵庫に関する回答が合計50.2%を占めたといいます。

具体例として挙げられたのが、熊本県や千葉県で実際に起きた災害です。停電の際、県のウェブサイトの最上部に冷蔵庫内の食品への注意喚起が掲載されました。いったん溶けたものが再び冷えると傷んでいることに気づきにくく、食中毒から災害関連死につながりうる、という趣旨の呼びかけです。防災用の電源というとスマートフォンやライトのバックアップに目が向きがちだったものの、実際に困るのは医薬品や食品の保存だったとのこと。
同じ調査では、バックアップ電源に求める機能として停電時の自動切替(UPS機能)が25.5%、設置工事不要の手軽さが22.1%、長時間の稼働性能が21.5%と続きます。設置場所の希望は冷蔵庫の上が30.5%、冷蔵庫のすぐ横が26.7%でした。

厚さ75mm、2016Whを冷蔵庫の上や横に置く
FridgePowerの本体サイズは約580×350×75mm(フットパッドを含む厚さは78mm)で、重量は約19.7kg。容量2016Whのリン酸鉄リチウムイオン電池を積み、定格出力は1800Wです。2000Whクラスとしては業界最薄(2026年6月時点、自社調べ)だとうたっています。
家庭用コンセントは1500Wで設計されているので、コンセントで使える家電はほぼカバーできる出力を、75mmの厚みに収めた形です。縦置きにも対応しており、付属の取り付けキットを使えば、壁面への固定も可能です。

冷蔵庫の稼働時間は、本体のみで一人暮らし向け(150〜250L)が約30〜40時間、2〜3人家庭向け(300〜450L)が約20〜30時間、大型(500L以上)が約15〜20時間。ただ、この数値は冷蔵庫が動き続けている前提の試算で、実際のコンプレッサーの稼働は1日の半分以下。このため、実際の給電時間はこの倍程度になるだろうとのこと。容量2016Whの拡張バッテリーは最大3台まで接続でき、合計8064Whまで拡張できます。
質疑では、日本の大型冷蔵庫は放熱のため天面に物を置かないよう案内するメーカーが多い点について質問が出ました。これについては、付属する高さ調節可能なレベルフィート4個で3cm程度の隙間を確保する設計だと回答しています。取り付けブラケットは最大80kgまで支えるとのことです。

会場デモ:バッテリー動作への切り替えは10ms
会場では、FridgePowerの元電源を抜いてバッテリー動作にするというデモも実施。別売りとなるマグネット式ディスプレイの入力表示は0になり、そのまま放電へ切り替わりましたが、冷蔵庫の庫内灯は消えず、動作が途切れる様子は見て取れませんでした。切り替わった時点の給電量は57Wと表示されていました。

FridgePowerは停電を検知すると10ms以内にバッテリー給電へ切り替わります。コンピューター用のUPS専用機でも一般的には10ms程度だと説明し、専用機と同等の速度だとしました。

アプリ運用——気象警報と連動して自動で満充電
FridgePowerはアプリから状態を確認でき、Amazon Alexa、Google Home、Home Assistantにも対応します。動作モードは標準、PV優先、時間帯別、カスタマイズから選択でき、深夜電力を使うための充電時間帯や、ソーラー充電のために空けておく容量を設定できる仕組みです。
そのうえで紹介されたのが、災害警報との連動です。地域の気象情報を監視し、暴風雨などの警報が発令されると自動的に急速充電へ切り替わり、105分で満充電になるとしています。地震は対象外ですが、天候要因については事前に備えられるという設計です。バッテリーの異常や、電源が外れたまま充電されていない状態もアラートで通知します。加えて3か月ごとに自動でフル充放電を行い、セルのバランスを調整します。

BCP用途と静音性
法人向けには、BCP対策としての提案も行われました。災害後の停電で飲食店の食材が使えなくなる場面が繰り返し報道されている点を挙げ、食品や医薬品を扱う事業者、社内に従来型のサーバーを置いている企業などを想定先として示しています。関係者が不在でも自動で切り替わる点が、この用途では効いてくるとしました。

動作音は約30dBです。内蔵ヒートシンクとサイドエアフロー設計に加え、スマートセンサーがファン速度を調整します。本体には耐久性と放熱性に配慮したABS樹脂ボディを採用し、取り外して水洗いできるダストフィルターを備えます。充放電サイクルは4000回以上(初期容量の80%時)で、毎日1回充放電しても10年以上は使える計算です。
主なスペック
| 項目 | 内容(仕様) |
|---|---|
| タイプ | 冷蔵庫向けバックアップポータブル電源 |
| バッテリー容量 | 2016Wh(リン酸鉄リチウムイオン) |
| 拡張 | 拡張バッテリー(2016Wh)を最大3台/合計8064Wh |
| AC出力 | 定格1800W/電力リフト3000W(100V、50/60Hz) |
| 自動切替 | 停電検知から10ミリ秒以内 |
| AC充電 | 最大1200W(0〜80%まで60分、フル充電105分) |
| ソーラー充電 | 最大1000W(フル充電122分)/AC併用時は最大2200W |
| 本体サイズ | 約580×350×75mm(フットパッド含む厚さ78mm) |
| 重量 | 約19.7kg |
| 動作音 | 約30dB |
| サイクル寿命 | 4000回以上(初期容量の80%時) |
| スマート連携 | 専用アプリ/Amazon Alexa/Google Home/Home Assistant |
そのほかの仕様
充電手段は複数用意されており、走行充電器「Charger 2」を使った場合、フル充電までは109分とされています。車中泊での利用も想定した構成です。スリープモード時の待機電力は0.3Wで、アプリからのリモート起動にも対応します。
動作温度は充電時が0〜40℃、放電時が-20〜40℃です。なお、部屋が40℃でもバッテリー中心部が40℃に達するには時間がかかり、夜には30℃以下に落ち着く家庭が多いとして、現状では問題ないとの見方を示しました。むしろリチウムイオン電池は低温側に弱いとの補足もありました。
付属品はAC充電ケーブル(2.5m)、取り付けキット(ネジ、ハンドル&ストラップ、取り付けブラケット、壁用アンカー、調節可能なレベルフィート4個)など。マグネット式ディスプレイ「Display 1」、拡張バッテリー、ソーラー充電ケーブルはオプション扱いです。安全性については、33の試験基準を満たすCNAS認証済みとしています。


