
InnAIOは2026年5月19日、カード型のAI翻訳録音機「TransNote」をGREEN FUNDINGで先行支援受付開始しました。一般発売は2026年7月予定とのことです。価格は超早割(32%OFF)で2万1750円、早割(28%OFF)で2万3040円など、複数のリターンが用意されています(執筆時点)。セット内容はTransNote本体、専用MagSafeケース、USB Type-Cケーブル、マグネット式リング、取扱説明書となっています。
InnAIOはシンガポールに拠点を置く、AIコミュニケーションデバイスやリアルタイム翻訳システムを手がけるメーカーです。今回、このTransNoteを提供いただいたので、レビューしていきたいと思います。

カードサイズのボディとUSB-C直挿し充電
本体サイズは約54×86×5.3mm。他のカード型AIボイスレコーダーと同等サイズです。付属のMagSafeケースを使って、スマホ背面に貼り付けられるのも同様です。



他の製品と大きく違うのは、USB Type-Cポートを本体に直接搭載している点です。この手のカード型デバイスは専用クレードルや変換ケーブルが必要なことも多いのですが、TransNoteは一般的なUSB-Cケーブルをそのまま挿して充電できます。出先で充電が必要になったときも、モバイルバッテリーと手持ちのケーブルで対応できるので安心感があります。

バッテリーは最大50時間の録音が可能(メーカー公称)。ストレージは32GB内蔵で、最大2270時間分の音声を保存できるとのことです。マイクは骨伝導マイク1基と無指向性マイク4基を搭載し、半径約5mの集音をうたっています。
ディスプレイレスでも迷わない、大きなスライドスイッチ
本機にディスプレイは搭載されていません。一見、動作状況がわかりにくそうに思えますが、本体正面に大きめのスライドスイッチを備えており、物理的なスイッチの位置で動作モードを直感的に把握できる作りになっています。

カード型AIボイスレコーダーで起こりがちな「いま録音中なのか分からない」「モードを切り替えたつもりが切り替わっていなかった」といったストレスは、思っていたより少ない印象です。ただし、スマートフォンの背面に貼り付けたままポケットに入れたり、そのままカバンに放り込んだりしておくと、いつの間にかスライドして録音が開始されている可能性もあるため、その点には注意が必要です。
ボイスレコーダーというより、翻訳機としての性格が強い
公式の製品ジャンルは「AI翻訳・議事録レコーダー」とされていますが、実際に触ってみると、議事録特化型のAIボイスレコーダーとは少し方向性が異なる印象を受けました。重心はあくまで「翻訳」にある、というのが個人的な感触です。
翻訳は140以上の言語に対応し、最短0.5秒のレスポンス、98%の翻訳精度をうたっています(メーカー公称)。エンジンはGPT-5と自社開発LLMを組み合わせているとのことです。オフライン翻訳にも対応しており、機内や電波の届かない場所でも単体で使える点は、海外出張や旅行で頼りになりそうです。
もちろん、録音→自動文字起こし→AI要約/マインドマップ生成といった、いわゆる議事録系の機能もひととおり揃っています。文字起こしや要約の画面が、他の製品よりもカラフルで見やすい印象です。ぜひ翻訳だけでなく、こちらのほうにも力を入れてほしいところです。


外部マイクとしてテキスト入力を効率化する「スーパーボタン」
個人的に、本機で特に実用的だと感じたのがこの機能です。
専用アプリ「InnAIO Pro」のスーパーボタンを有効にすると、TransNote本体のボタンを押している間に話した内容をテキスト化し、メールやチャットなど、スマートフォン側で文字入力が可能な場所に直接入力してくれます。InnAIO Proアプリ自体にも「AIインスピレーション・ノート」というメモアプリがあり、アイデアを書き溜めておくことが可能です。
さらに、音声入力時に入りがちな「えーと」「あのー」といったフィラーを自動で削除し、AIがビジネス/カジュアルといったシーン別のトーンに自動調整してくれます。例えば少し砕けた口調で話しかけたとしても、出力される文章はビジネスライクな表現に修正されるため、即座に実務で使えるテキストが完成します 。


さらに「アプリ間翻訳」をオンにしておくと、本体に向かって話した音声がリアルタイムで翻訳され、翻訳結果がそのままチャットアプリやメール本文、テキスト入力欄に入力されます。

これまでの翻訳アプリに必要だった「アプリを開いて翻訳し、結果をコピーして目的のアプリに切り替えて貼り付ける」という手間の連続から解放されるため、海外の相手とのテキストコミュニケーションが劇的にスムーズになります。
自分の声で翻訳音声を出せる「声質クローン」
翻訳の出力音声は、プリインストールされたAI音声から選ぶこともできますが、自分の声を学習させたクローン音声を作成して、それを使うこともできます。
学習に必要な音声は約60秒。表示された文章を読み上げるだけです。実際に作ってみたところ、抑揚やトーンまで完全に再現できているとまではいきませんが、声の質感は確かに自分っぽくなっています。

このほか、NFCを使ったデジタル名刺交換、QRコードでの多言語チャットルーム、カメラを使った画像翻訳など、ビジネス用途で求められそうな機能もひととおり揃っています。
サブスクリプションは「フリー」でもかなり使える
本機を使ううえで気になるのが、ランニングコストです。InnAIO Proアプリにはフリー(Free)、シルバー(Silver)、ゴールド(Gold)の3つのプランが用意されています。

価格はシルバーが13.99ドル/月(年96ドル)、ゴールドが24.99ドル/月(年179ドル)。米ドル建てで、決済時の為替レートで日本円に換算される形になります。
機能を見比べてみると、アプリ間連携翻訳、対面翻訳、画像翻訳、オフライン翻訳、NFCデジタル名刺、スーパーボタン、録音機能、AI会議要約、AIマインドマップ作成といった主要機能は、いずれもフリープランで利用できます。
有料プランで拡張されるのは、ビデオ・音声通話翻訳と会議文字起こしの月間利用時間(フリー:合計300分/シルバー:合計1,200分/ゴールド:無制限)と、作成可能な声質クローン数(フリー:1個/シルバー:2個/ゴールド:3個)の2点です。
頻繁にオンライン通話の翻訳を使う、あるいは複数の声質クローンを使い分けたい、といった用途でなければ、まずはフリーで使い始めても十分実用になりそうな印象です。
まとめ:翻訳を主軸に据えたいビジネスユーザー向けの1台
TransNoteは、翻訳と音声入力をコアに据えたAIガジェット、という位置づけの製品だと感じました。USB-Cの直挿し充電、わかりやすいスライドスイッチ、本体を外部マイクとして翻訳入力に使える設計など、運用面で気の利いた工夫が見られます。
2026年5月19日からGREEN FUNDINGで先行支援受付がスタートしています。海外との取引や英語圏との日常的なテキストコミュニケーションが多い人、自分の声で多言語発信してみたい人にとっては、検討する価値のある1台と言えそうです。
一方で、日本語の長時間議事録の整理がメインの用途という方は、自分の使い方と合うか、別途確認しておいたほうがよさそうです。
その他のAIボイスレコーダーも気になる方は、以下のまとめ記事で各モデルの特徴を解説していますので、選び方の参考にしてみてください。

