
谷村実業は、自社ブランド「T-PROFESSIONAL」から、ミラブル技術を搭載したコードレス高圧洗浄機「MIRABLE AQUABLAST MINI(ミラブル アクアブラスト ミニ)」を展開しています。6月27日からMakuakeで先行販売を実施中で、一般販売予定価格は3万2780円(税込)。ウォーターバッグを付けたセットは3万5230円(税込)で、カラーはブラックとホワイトの2色展開です。
「ミラブル」は、株式会社サイエンスのウルトラファインバブル技術を使ったシャワーヘッドで知られるブランドです。本機はそのサイエンスと谷村実業が共同開発したもので、ミラブル技術を高圧洗浄機に載せたのは今回が初めてとのことです。
応援購入額は3億円を突破
執筆の時点で、Makuakeでの応援購入総額は約3億80万円、サポーター数は1万1228人です。目標金額が10万円だったので、達成率でいうとかなりの数字になります。プロジェクトの終了は8月17日22時とのこと。
谷村実業の担当者によれば、購入者の54%が女性だそうです。高圧洗浄機は洗車を中心に男性が使うイメージが強く、使用頻度も年に数回にとどまりやすい。それに対して本機は家の中の掃除で使える点が効いているのではないか、という説明でした。
ミラブルを高圧洗浄機に持ち込んだ経緯
サイエンスの大槻氏は、開発のきっかけを業務用の引き合いから説明しました。

同社はサントリーホールディングスグループのダイナックに対し、飲食店向けの手洗い・食器洗浄用のミラブルを200店舗規模で納入しているそうです。厨房の床は油分でぬめりやすく、蛇口のホースに取り付けて使うタイプの製品を開発した経緯があるとのこと。ただ、そこから「傷をつけたくないが、もっとしっかり汚れを落としたい」という要望が集まり、水道圧を超える圧力をかける方向で開発が始まったといいます。
その第1弾が、バケツ型の「AQUABLAST」です。こちらもクラウドファンディングで1億円を超え、ヤマダ電機での独占販売につながっています。ただ、バケツに水を入れて運ぶ手間さえ惜しいという声が共働き世帯を中心に多かったそうで、充電式・コードレス化してペットボトルから給水できるようにしたのが今回の「AQUABLAST MINI」、という流れです。
通常の水道圧の約7倍という1.5MPa
技術面の説明は、ファインバブルの区分から始まりました。ファインバブルはISOで規格化されており、比較的大きいマイクロバブルと、より小さいウルトラファインバブルに分かれます。本機が使うのは後者で、目には見えません。

サイエンスの特許は「トルネードミスト」と呼ばれる渦を巻く水流にあり、水を吐出する際に空気を取り込んでその場でファインバブルを生成する仕組みだそうです。大槻氏は、空気を安定して供給できることが泡の安定供給につながっている、と説明していました。

汚れ落ちについては、高速回転する水流とウルトラファインバブルが油分を乳化させ、対象物との間に入り込んで剥離させるという説明です。洗剤の使用量を抑えられる理由もここにある、としています。

圧力については、一般的な水道圧が約0.2MPaであるのに対し、本機は最大1.5MPa。単純計算で約7倍にあたります。
実演:紙を破らず、柔らかいものも崩さない
実演では、まず柔らかいゼリー状の素材に絵の具を塗り、それを洗い流すデモが行われました。表面を崩さずに絵の具だけが落ちていく、という内容です。開発中はプリンのカラメルで同じ検証をしていたそうで、通常の高圧洗浄機ならプリン自体が吹き飛ぶところ、カラメルだけが取れたことが製品化の判断材料になったといいます。
次に、紙に水流を当てるデモ。通常の高圧洗浄機なら穴が開くところ、本機では破れませんでした。
もっとも、これは「弱いから傷つけない」という話ではないというのが同社の主張です。会場では参加者が手に水流を当てて体感する時間もあり、最も強いモードは、正直なところシャワーとは比べものにならない当たりの強さで、手のひらに直接当てると痛みを感じます。手の甲だと痛みは出にくいものの、圧力そのものはしっかりかかっている印象でした。
一方、ミラブルモードに切り替えると当たりが柔らかくなり、拭き取った後の肌はすべすべした感触になります。
給水はペットボトルかタンク、水流は4種類
本体は折りたたみ式で、展開すると電源がオンになり、たたむと自動でオフになります。物理的な電源スイッチはありません。

給水は、付属のホースをバケツやタンクに入れる方法と、専用ノズルでペットボトルを直付けする方法の2通り。ペットボトルは2Lだと重さで扱いにくいため、500mLか1Lが現実的とのことでした。蛇口への直結には対応していません。

ノズルは4in1のマルチノズルで、ワンタッチで4種類の水流に切り替えられます。このうちの1つがミラブルモードです。オプションとして、薬剤を入れて泡を出せる洗車用のフォームノズルも用意されます。

充電はUSB Type-C。連続使用時間は使うモードによりますが、最大で約50分とのことです。

スペック

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | MIRABLE AQUABLAST MINI |
| ブランド | T-PROFESSIONAL(谷村実業) |
| 技術協力 | 株式会社サイエンス |
| 重量 | 約0.86kg |
| サイズ | 折りたたみ時 約180mm |
| 水圧 | 1〜1.5MPa |
| ウルトラファインバブル | 1cc中 約1億6000万個 |
| ノズル | 4in1マルチノズル(4種類の水流) |
| 給水 | ペットボトル/ホース |
| 対応水温 | 最大45℃ |
| 充電 | USB Type-C |
| 連続使用時間 | 最大約50分 |
| カラー | ブラック/ホワイト |
| 一般販売予定価格 | 3万2780円(税込)※ウォーターバッグ付きは3万5230円(税込) |
※ブラックモデルはノズルが黒、ホワイトモデルはノズルがグレーになります。
ケルヒャーとの違いは?
質疑応答では、この種のコンパクトな高圧洗浄機でベンチマークになるケルヒャー製品との違いについて質問が出ました。
回答は、ミラブルモードの有無が最大の差だというもの。一般的な高圧洗浄機は水道水をそのまま加圧して噴射するため、圧力に弱い対象物へのダメージが避けられません。具体例として挙がったのは、ウッドデッキ(塗装が剥がれる)、車のコーティング剤、外壁タイルの目地などです。目地は圧をかけすぎると切れることがあるため、優しく洗いつつウルトラファインバブルで洗浄する使い方が想定される、としていました。
ペットの足洗いも用途として挙がっていました。散歩後に高圧洗浄機を使う人はまずいないでしょうが、最弱のミラブルモードなら消臭も兼ねて使えるという説明です。ただしMakuakeのプロジェクトページには「ミラブルモード以外はペットには使用しないでください」という注記があるので、モードの選択には注意が必要です。
除菌・消臭についても、同ページに「全ての菌に対して除菌効果があるわけではありません」との記載があります。ここは公称の範囲を確認しておいたほうがよさそうです。
8月5日からヤマダ電機13店舗で実機体験
現在、全国のヤマダ電機13店舗に体験機が設置されているとのことです。Makuakeの先行販売は8月17日まで。実機を触ってから判断したい人は、店舗を確認してみるのがよさそうです。
まとめ
MIRABLE AQUABLAST MINIは、「高圧洗浄機を出すのが面倒」という手間の部分を削りにいった製品だと感じました。0.86kgで折りたためて、電源も水道も要らず、ペットボトル1本から使える。ここに、圧力をかけたくない対象にも使えるミラブルモードが加わる構成です。
一方で、蛇口直結に対応せず、タンク容量も外部給水に依存するため、洗車のように水を大量に使う作業をこれ1台で完結させるのは難しそうです。連続使用時間も最大約50分。本格的な高圧洗浄機の置き換えというより、「これまで高圧洗浄機を持ち出すほどではなかった場面」を埋める製品と捉えるのが実態に近いのではないでしょうか。
一般販売予定価格の3万2780円(税込)は、ハンディタイプとしては安くありません。ミラブルモードにどれだけ価値を見いだせるかで評価が分かれそうです。
Makuakeでの先行販売は8月17日までなので、少しでも安く購入したい人は、早めに決断したほうが良さそうです。
