
Metaは9月24日(日本時間)、年次イベント「Meta Connect 2026」で、EssilorLuxotticaと手がけるAIグラスの新製品を発表しました。Ray-Ban Metaの新モデル「Ray-Ban Meta(Gen 3)」は、日本を含めて同日から7万8980円(税込)で販売を開始しています。
あわせて、カメラを搭載しない初のオーディオグラス「Ray-Ban Meta Audio」も発表しました。米国では349ドルからで10月13日に出荷を開始し、日本での展開は2027年を予定しています。このほか、Meta Glassesに新フレームとLISAとのコラボモデルが加わり、Ray-Ban、Oakley、Meta Glassesを合わせて年末までに100種類以上のスタイルをそろえる計画です。
発表に先立ち、報道関係者向けの説明会と先行体験会に参加してきました。新製品の概要と、質疑応答の内容を紹介します。
今回発表された主なAIグラス
| 製品 | 価格(日本) | 日本での発売 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| Ray-Ban Meta(Gen 3) | 7万8980円(税込)から | 9月24日 | バッテリー最大9時間、アクションボタン、6マイク |
| Ray-Ban Meta Aviator 限定エディション | 10万3180円(税込)から | 期間限定 | Aviator 90周年記念、Milky Beige |
| Ray-Ban Meta Audio | 未定(米国349ドルから) | 2027年予定 | カメラなし、43g、最大12時間 |
| Meta Glasses by LISA | 6万8200円(税込)から | 9月24日※ | LISAとのコラボ、2スタイル |
| Meta Glasses by Kylie Jenner(Ivory) | 6万8200円(税込)から | ― | 新色 |
| Meta Adventurer(Black/Grey) | 4万2680円(税込)から | 10月23日 | Meta Glassesで最も手頃な限定フレーム |
※説明会での説明による
Ray-Ban Meta(Gen 3):バッテリー9時間、アクションボタンを追加
Ray-Ban Meta(Gen 3)は、Ray-Ban Metaの次世代モデルです。よりスリムで快適なフレームになり、バッテリー駆動時間はGen 2より1時間長い最大9時間に延びました。

操作面では、Meta AIをすぐに呼び出せるカスタマイズ可能なアクションボタンが新たに加わっています。マイクは6つのアレイ構成になり、背景ノイズを90%以上カットするとしています。風の強い場所や人混みで通話や音声コマンドを使う場面を想定した改良です。
カメラは12MPで、3K Ultra HDの動画撮影に対応します。新機能の「ダイナミックフォト」では、複数のフレームからベストな1枚を選べます。これまでのモデルと同じく、撮影中であることを周囲に知らせるLEDライトも内蔵しています。
フレームは、定番のWayfarer(ラージサイズも展開)に加え、新たにAviatorとキャットアイ型の「Zena」の2スタイルが加わりました。カラーとレンズの組み合わせは、季節限定カラーを含めて27通りです。Aviatorの90周年を記念した限定エディションも用意され、Milky BeigeのフレームにブラウンのTransitionsレンズを組み合わせています。Ray-Ban.com、一部のRay-Ban店舗、Meta.comなど限られたチャネルでの期間限定販売です。

Ray-Ban Meta Audio:カメラを省いて43g、最大12時間
今回の発表で新しいカテゴリーになるのが、Ray-Ban Meta Audioです。カメラを搭載せず、オープンイヤーのオーディオとAIに機能を絞ったモデルで、重さは43g。MetaのAIグラスとしては最も軽く、最もスリムなモデルになります。

バッテリーは1回の充電で最大12時間、付属の充電ケースを使えばさらに最大48時間使えます。カメラを使わない機能、つまりMeta AIとの会話、音楽やポッドキャストの再生、通話、メッセージへの返信などは、カメラ付きのRay-Ban Metaと同じように使えます。
フレームは、レトロなシルエットのClubmasterと、レクタングル型のBurbankの2種類で、カラーとレンズの組み合わせは23通り。どちらも度付きレンズに対応し、テンプルチップの調整や、ノーズパッドの調整・交換もできます。

説明会で登壇したMetaのAIグラス製品マネジメント担当バイスプレジデント Miki Rothschild氏は、Ray-Ban Metaの発売以来、最も使われている機能はオーディオで、一度オープンイヤーのオーディオを使い始めると常に身につけていたくなるユーザーが多いことに気づいたと話していました。そこでオーディオに絞れば、より軽くスリムにできると考え、2年前から開発を進めてきたとのことです。

なお、充電はRay-Ban Metaと同じく、専用ケースによる充電となります。

Meta Glasses:新フレームとLISAコラボ、4万2680円の限定モデル
日本でも販売されているMeta Glassesには、新しいフレーム「Capri」と「Nova」が加わりました。
あわせて、国際的なアーティストであるLISAとコラボした「Meta Glasses by LISA」も登場します。BlushレンズにMoonlit Skyカラーのフレームを組み合わせた「Meta Adventurer LISA Edition」と、グレーレンズにEclipseカラーのキャットアイフレームを組み合わせた「Meta Capri LISA Edition」の2スタイルで、価格は6万8200円(税込)から。どちらも度付きレンズに対応します。

テンプル先端のスターマーク、LISAのペット(L family)をモチーフにしたケースチャーム、グラスでアンロックできるデジタルフォトカードなどが付属します。説明会では、新フレームとLISAモデルは9月24日に日本で発売すると説明がありました。

Meta Glasses by Kylie Jennerには、新色のIvoryが加わりました。価格は6万8200円(税込)からです。
さらに、Meta Glassesでこれまでで最も手頃な限定フレームとして、BlackフレームにGreyレンズを組み合わせた新しいMeta Adventurerが登場します。プラグインケース付きで4万2680円(税込)から。Meta.comで予約を受け付けており、日本を含むMeta Glassesの販売国で10月23日に発売します。
Museとの連携は米国のみ
AI機能では、Meta Superintelligence Labsの最初のモデル「Muse Spark」と、パーソナルAIエージェント「Muse」が紹介されました。Museは、ユーザーについて学習しながら、質問に答えるだけでなくタスクを代わりにこなすエージェントです。AIグラスと組み合わせれば、見ているものについてハンズフリーで調べたり、許可を得たうえで購入まで任せたりできるとしています。
ただし、Museとの連携は現時点で米国のみです。Muse Sparkの海外展開についても、詳細は今後発表するとのことでした。
質疑応答から:カメラのプライバシーとAIデータ
質疑応答では、カメラ付きAIグラスのプライバシーについての質問が相次ぎました。
Ray-Ban Meta Audioがカメラを省いた背景にプライバシーへの懸念があるのか、という質問に対し、Miki氏は主な理由ではないと答えています。開発を始めたのは2年前で、プライバシーをめぐる最近の報道は数か月ほど前からのもの。あくまで、より多くの人に合う選択肢と、一日中かけていられる軽いモデルを用意するのが目的だったとのことです。コスト面の狙いについても、主眼ではないという回答でした。
カメラ付きモデルについては、仕組みが十分に知られていないことを課題として挙げていました。初代Ray-Ban Metaから、カメラを使うときはLEDが点灯する仕様で、写真では1回光り、動画撮影中は点滅します。Metaは今後、装着する人と周囲の人の両方が安心できるよう、この仕様を知ってもらうための啓発活動を大規模に進めるとしています。
AIとの対話データの扱いについては、MetaのAIデータポリシーに準拠していると述べるにとどまりました。国や地域による規制の違いについては、新しいAIモデルを投入する前に同意フローなどを各市場向けに調整していて、それが各国でのAIモデル展開に時間がかかる理由の1つだという説明です。
まとめ:カメラを「選べる」ラインアップへ
今回の発表で目立ったのは、スタイルの数を増やすだけでなく、機能の組み合わせにも選択肢を用意し始めたことです。カメラ付きのRay-Ban Meta(Gen 3)は、バッテリーやマイクを強化した正統進化モデル。一方のRay-Ban Meta Audioは、カメラを省いて軽さと駆動時間を取ったモデルです。
AIグラスには興味があるものの、カメラ付きのメガネをかけることに抵抗がある人や、職場などカメラの持ち込みに制限がある環境で使いたい人にとって、Ray-Ban Meta Audioは現実的な選択肢になりそうです。ただ、日本での発売は2027年の予定で、価格もまだ発表されていません。今すぐ買えるモデルとしては、Ray-Ban Meta(Gen 3)か、10月23日に4万2680円から発売されるMeta Adventurerが候補になるでしょう。
また、Museとの連携のように、AI機能の一部は米国が先行しています。ハードウェアの国内展開は進んでいる一方で、AI機能の差がどう縮まっていくのかは、引き続き見ていきたいところです。

