Nothing Ear (3a)レビュー|新機能よりピンチ操作。1万5800円イヤホン

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Nothing Technology Japanが2026年7月7日に発売したワイヤレスイヤホン「Ear (3a)」。価格は1万5800円(税込)で、カラーはブラック、ホワイト、ピンク、イエローの4色展開です。手ごろな価格帯を担う「(a)シリーズ」の新モデルにあたります。

短い期間ですが、製品をお借りしたので軽く試してみました。

Nothing、イヤホン「Ear (3a)」を発表——音を切り取る新機能を搭載
Nothing Technology Japanは2026年7月7日、ワイヤレスイヤホン「Ear (3a)」を発表しました。価格は1万5800円(税込)で、同日午後7時30分より公式サイト(jp.nothing.tech)で販売を開始します…

主なスペック

項目内容
ドライバー12mmダイナミック(PMI製ドーム振動板)、32Ω
周波数帯域20Hz〜40kHz
コーデックSBC/AAC/LDAC(最大24bit/96kHz)
ノイズキャンセリングアクティブ最大45dB/外音取り込みモード
マイク各イヤホンに3基(AIノイズ低減)
内蔵メモリー32MB
再生時間ANCオフ:単体10時間/ケース併用42時間
ANCオン:単体6時間/ケース併用25時間
充電USB-C、フル充電約70分。5分充電で約1時間再生
接続Bluetooth 6.0、デュアル接続
防塵防滴IP54(イヤホン本体・ケースとも)
重量イヤホン単体4.53g/ケース40.92g
カラーブラック/ホワイト/ピンク/イエロー
価格1万5800円(税込)

見た目はいつものNothing、ケースは丸くなった

内部が透けて見えるシースルーデザインは健在で、ぱっと見でNothingの製品だと分かります。正直なところ、この見た目のためだけに選んでも悪くないと思えるくらいで、所有欲は満たされます。

充電ケースもEar (a)とほぼ同様。角の丸みが大きくなり、コンパクトな印象になりました。ただ、実際のサイズはわずかに大きくなっています。並べてみても、この差に気づくことはまずないでしょう。Nothingは錠剤のカプセルとシュリンク包装からの着想だとしています。

ケースのLEDインジケーターも新しくなりました。ぱっと見では1つの縦長LEDですが、実際には3つのLEDが組み込まれています。バッテリー残量、充電状況、ペアリングの進行状況を、光のパターンで知らせてくれます。

重量はイヤホン片側で4.53g、ケースが40.92g、両耳とケースを合わせて49.98g。装着中に重さを意識する場面はありませんでした。イヤーチップはXS/S/M/Lの4サイズが同梱されています。

▲イヤーピースは、XS/S/M/Lの4サイズ。Mサイズが本体に装着済みです

ピンチ操作は誤動作が少ない

操作方法は、Ear(a)と同じくステム部分をつまむピンチ操作を採用しています。1回で再生/停止、2回で曲送り、長押しで音量調整。割り当てはNothing Xアプリで変更できます。

ワイヤレスイヤホンで良く採用されているタッチ操作だと、装着し直すときや髪が触れたときに勝手に再生が止まることがあります。ピンチ操作ではそれがほとんど起きません。つまむという動作は明確に指を添える必要があるので、意図しない接触が入力として拾われにくいためです。

Nothingは前作のオーバーイヤーヘッドホン「Headphone (1)」でも、タッチではなくローラーとパドルによる物理操作を採用していました。操作系に対する考え方は、シリーズを通して一貫しているようです。

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低音は強めですが、イコライザーで印象が変わる

ドライバーは12mmのダイナミック型で、前モデルの11mmから大型化しています。振動板には航空宇宙分野で使われるグレードのPMI素材を採用。低音域は前世代比で最大5dB強化したとのことです。

実際に聴いてみると、デフォルトの状態(イコライザー:バランス)では、低音がやや強めですが全体的にはフラットな印象でした。高音の伸びやかさは今一つな気もしますが、音質そのものは価格を考えれば良好です。

ただ、Nothing Xアプリのイコライザーで印象はガラッと変わります。簡易モードにはバランス、低音、高音、ボーカルのプリセットがあり、さらに8バンドのイコライザーで細かく詰められます。デフォルトの音だけで判断するより、自分で調整して使う製品だと考えたほうが実態に近いと思います。

コーデックはSBC、AAC、LDACに対応。ハイレゾオーディオ認証も取得しており、最大24bit/96kHzでの伝送が可能です。

一方、今回から(a)シリーズに入った空間オーディオは、正直なところあまり効果を感じませんでした。搭載されているのはヘッドトラッキングを伴わない「スタティック空間オーディオ」で、音場が横に広がる感覚はあるものの、音に包まれるという印象までは届きません。音源との相性もありそうなので、これを目当てに選ぶ機能ではないと思います。

▲イコライザーは、専門家が調整した設定をダウンロード可能(左)。空間オーディオの効果はいまひとつな感じでした(右)

ノイズキャンセリングは、強力ではないが十分

ノイズキャンセリングは最大45dB。この数値自体は前モデルのEar (a)と同じです。Nothingは、音響メッシュとアルゴリズムの改良で、より広い周波数帯域でのノイズ低減を実現したとしています。あわせて、環境ノイズが集中しやすい400Hz〜2000Hzの帯域の性能を強化し、ノイズキャンセリングのカバー範囲は前世代比で17.1%向上したとのことです。

効き具合は、そこまで強力ではありません。エアコンの動作音や電車の走行音はかなり削られますが、周囲の話し声は内容が分かる程度に残ります。ただ、ANC特有の耳が詰まるような圧迫感は少なく、日常的に付けっぱなしにするならこのくらいがちょうどいいと感じました。ここは好みが分かれるところだと思います。

外音取り込みモードも用意されており、こちらは自然な聞こえ方でした。

▲ノイズキャンセリングは、低/中/高/アダプティブを切り替え可能

オーディオスナップショットは、使いどころが難しい

Ear (3a)には32MBの内蔵メモリーが載っていて、イヤホン単体で音を保存できます。新機能の「オーディオスナップショット」は、イヤホンをピンチすると、再生中のメディアの前後30秒ずつ、最大60秒をキャプチャしてくれるというものです。保存したデータはNothing Xアプリに同期され、再生や文字起こし、共有ができます。購入者には3か月・月120分までのプロ文字起こしサービスも付いてきます。

▲オーディオスナップショットの切り取り時間は、設定から変更可能(左)。文字起こしの精度はそれなりと言ったところですが、意味があるのかは判断が難しいところです(右)

機能としては面白いのですが、正直なところ使いどころが分かりませんでした。ラジオや動画で流れた曲を後から確認する、再生中の音楽の気に入ったフレーズを残しておく、といった用途は思いつくものの、スマートフォンの歌詞サービスを使うなりしたほうが早いのでは、と思ってしまいます。周囲の音を録音できるのであれば便利そうとも思ったのですが、残念ながらその機能はありません。

なお、通話やオンライン会議を最長約2時間まで録音できる機能も搭載されていますが、今回は試せていません。録音を開始すると、通話相手全員に録音中であることを知らせる通知音が流れる仕組みだとしています。

まとめ:1万5800円としては、まとまりのいい一台

Ear (3a)は、Nothingらしい見た目と扱いやすい操作系、そして価格なりに良好な音質がまとまったモデルです。

前モデルのEar (a)は1万4800円だったので、1000円の値上げになります。その差でドライバーが11mmから12mmに大きくなり、Bluetoothが6.0になりました。防塵防滴はイヤホン本体のIP54こそ前モデルと同じですが、充電ケースがIPX2からIP54に上がっています。加えて録音系の新機能が載りました。LDAC対応で最大45dBのANCを備えて1万5800円という点は、価格帯としては悪くないと思います。

一方で、空間オーディオとオーディオスナップショットは、価格分の価値として計算しないほうが良さそうです。この2つを目当てに選ぶと、期待とずれる可能性があります。

こんな人に向いていそう

  • タッチ操作の誤反応にストレスを感じている人
  • イコライザーで自分好みに音質を細かく調整したい人
  • Nothingのデザインが好きな人
  • 2万円以下でLDAC対応のANCイヤホンを探している人

逆に、合わないかもしれない人

  • 高音の伸びやかさを重視する人
  • 強力なANCを求める人
  • 空間オーディオや録音機能を主目的に選ぼうとしている人

デザインと操作性が気に入ったなら、この価格帯では有力な選択肢のひとつだと思います。

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