ROG XBOX Ally X20 レビュー ─ 25万8800円、バッテリー駆動でも旧モデルのTurbo並み

当ブログの一部のリンクはアフィリエイトリンクです。これらのリンクから商品を購入された場合、当サイトは一定の報酬を得ることがあります。

ASUS JAPANは2026年10月16日、ポータブルゲーミングPC「ROG XBOX Ally X20」を発売しました。ROGブランド設立20周年を記念したモデルで、価格はASUS Storeで25万8800円(税込)。カラーはオフブラックの1色です。このほか、ARグラス「ROG XREAL R1 Edition 20」やケース類を同梱したBundle版も用意されています。

ベースになっているのは、2025年に発売された「ROG Xbox Ally X」です。プロセッサのAMD Ryzen AI Z2 Extreme、24GBのメモリ、80Whのバッテリーは共通で、ディスプレイが7.4型の有機ELに変わりました。ジョイスティックや方向キー、外装も20周年記念仕様として作り直されています。

「ROG XBOX Ally X20」予約開始。20周年記念モデル、7.4型有機EL搭載で10月16日発売
ASUS JAPANは9月17日、ROGブランド設立20周年の記念モデルとなるポータブルゲーム機「ROG XBOX Ally X20」と、ARグラスなどが付属する「ROG XBOX Ally X20 Bundle」の予約受付を国内で開始しま…

今回、実機をお借りしたので、実際のゲームでのフレームレートとバッテリー持ちを中心にレビューします。なお、Allyシリーズは以前にROG Ally X(2024年モデル)もレビューしています。

「ROG Ally X」レビュー 性能アップで駆動時間も倍増
ASUS JAPANは、7月24日にポータブルゲーム機「ROG Ally X」を発売します。価格は、前モデルの10万9800円から少し上がって13万9800円。今回、そのROG Ally Xを発売前に試用する機会があったので、簡単に紹介した…

主なスペック

項目ROG XBOX Ally X20
CPUAMD Ryzen AI Z2 Extreme(8コア16スレッド、最大5.0GHz)
メモリ/ストレージ24GB LPDDR5X-8000/1TB PCIe 4.0 NVMe SSD(M.2 2280)
ディスプレイ7.4型 有機EL、1920×1080、120Hz、VRR 30〜120Hz、タッチ対応
輝度・HDR600nit(HDR時最大1400nit)、VESA DisplayHDR True Black 1400、Dolby Vision
端子USB4(Type-C)×1、USB 3.2 Gen2(Type-C)×1、microSD Express、3.5mmコンボジャック
無線Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.4
バッテリー80Wh
動作モード(TDP)パフォーマンス:17W/Turbo:電源接続時35W・バッテリー駆動時25W
サイズ約300.0×121.0×27.5〜51.3mm
重量約756g
OSWindows 11 Home
価格25万8800円(税込、ASUS Store)

外観と操作系 ─ 756gのボディとTMRスティック

本体は内部が透けて見える半透明のブラックで、スティック周りのリングや背面のライン、20周年記念バッジにゴールドがあしらわれています。シックというより、ちょっとゴージャス寄りの印象です。

▲半透明のボディにゴールドのアクセントが入る20周年記念デザインです。バンシィっぽいというとわかる人にはわかるでしょうか
▲グリップ表面には、滑り止めを兼ねて細かな「ROG」「XBOX」の文字が刻まれています
▲背面には20周年記念バッジ。内部の構造がうっすら透けて見えます

重量は約756gで少し重め。ずっと手に持っているというより、机に手や肘を突いてプレイするスタイルになると思います。

▲両手で抱えて持ってプレイし続けるには、少し重めです

ジョイスティックには、TMR(トンネル磁気抵抗)センサーを使ったタイプを採用しています。ASUSによると、デッドゾーンは3%で、上下左右の4方向に入力が吸い寄せられる「スナップ」をなくすアルゴリズムにより、斜め入力をしやすくしたとのことです。消費電力も従来比で75%削減したとしています。前モデルの感覚がわからないのですが、スティックはちょっと固め・反発強めです。

方向キーは、回転させると4方向と8方向のレイアウトを切り替えられる可変式です。4方向レイアウトでは斜めの部分が一段下がり、8方向レイアウトでは斜めの部分が上下左右と同じ高さまで上がります。

▲方向キーは回転させて4方向/8方向を切り替えます。4方向では斜め部分が一段下がり(左)、8方向では上下左右と同じ高さになります(右)

このほか、ABXYボタンは約90gの力で押せるように再設計されたとのことです。背面には割り当て可能なマクロボタンが2つあります。筆者の手が小さいためなのか、背面のマクロボタンは指が遠く、ちょっと押しにくく感じます。

▲インターフェースは、USB4(右端)、USB3.2、microSDカードスロット、3.5mmオーディオジャック。電源ボタンには指紋センサが搭載されています

7.4型有機EL ─ いちばん大きな変更点

ディスプレイは7.4型の有機ELで、解像度は1920×1080、リフレッシュレートは最大120Hzです。輝度は通常時600nit、HDR時は最大1400nitで、VESA DisplayHDR True Black 1400の認証を取得し、Dolby Visionにも対応しています。ASUSによると、2025年モデルと比べてベゼルを約60%細くしたとのことです。

▲2025年モデルと並べた比較はできていませんが、ベゼルは細くなっているとのこと

可変リフレッシュレート(VRR)は30〜120Hzに対応しています。フレームレートが60fpsを下回る場面でも、画面の書き換えがフレームの出力に合わせて変わるため、カクつきを感じにくくなります。

XBOXモードで起動、Windowsは裏側に

電源を入れると、Xboxアプリのフルスクリーン環境である「XBOXモード」で起動します。Xboxアプリからは、Xbox以外のPCゲームストアでダウンロードしたゲームもまとめて起動できます。

起動中のアプリはXboxボタンの長押しで一覧表示され、LB/RBボタンで切り替えられます。Windowsのデスクトップに切り替えることもでき、TDPなど本体の設定はArmoury Crate SEで変更します。

▲TDPなどはArmoury Crate SEで変更可能
▲Xboxボタン長押しで、起動中のアプリを切り替えられます

Xboxをよく利用している人には使いやすいのかもしれませんが、筆者はSteamメインなので、ちょっと面倒だなというのが正直なところ。なお、端末にインストールさえしてしまえば、XBOXモードの画面からもSteamのゲームを起動できます。

ベンチマーク ─ 3DMarkとPCMark 10

過去にレビューしたROG Ally X(2024年モデル)では、3DMarkのベンチマークを行っていました。せっかくなので、ROG XBOX Ally X20でも同様にベンチマークを実施しています。なお、使用したソフトのバージョンなどが異なるので、結果はあくまでも参考値です。

電源に接続した状態の「Turbo」モード(TDP35W)と電源を外した「パフォーマンス」モード(TDP17W)で計測しました。

▲3DMarkのベンチマーク結果

同じパフォーマンスモード(17W)同士で比べると、ROG XBOX Ally X20のスコアはROG Ally X(2024年モデル)よりTime Spyで約28%、Fire Strikeで約25%高くなっています。一方、Turboモード同士では15〜19%ほどの伸びにとどまり、TDPの上限が30Wから35Wに上がっていることを考えると、こちらは控えめです。

また、Time SpyとFire Strike系のテストでは、ROG XBOX Ally X20の17W時のスコアが、ROG Ally X(2024年モデル)のTurbo(30W)時を上回っています。バッテリー駆動で遊ぶときの性能が、旧モデルの最大性能と同じくらいまで上がった、と考えるとわかりやすいかもしれません。

実ゲームのフレームレート ─ 17Wと35Wで比較

ベンチマークのスコアだけでは、実際にどの程度遊べるのかがわかりにくいので、3本のゲームでフレームレートを計測しました。計測にはCapFrameXを使用しました。本体の解像度は1920×1080ピクセルで固定。HDRオン、AMD RSRオンの状態です。パフォーマンス(17W)はバッテリー駆動、Turbo(35W)は電源接続の状態で計測しました。なお、ゲームはすべてデフォルト設定でプレイしています。

タイトル画質設定パフォーマンス 17WTurbo 35W
平均1% Low平均1% Low
Apex Legends1920×1080
フルスクリーン
58.73193.432
Cyberpunk 20771920×1080
ボーダレス
レイトレーシング:低
2814.933.121
ELDEN RING1920×1080
フルスクリーン
品質設定:高
34.817.847.229.3
※単位はfps。1% Lowは、計測中のフレームレートのうち下位1%の平均値です。

Apex Legendsは、パフォーマンスモードでも平均58.7fpsで、快適にプレイできました。筆者は普段FPSをプレイしないので、やり込んでいる人からすると反応が悪いと感じるかもしれませんが、カジュアルにプレイする範囲では問題ないと感じます。Turboモードにすると平均は93.4fpsまで伸びますが、1% Lowは31.0fpsから32.0fpsとほとんど変わっていません。平均が上がっても、ときどき起きるフレームレートの落ち込みは残るようです。

一方で、ELDEN RINGは結構重め。パフォーマンスモードでは平均34.8fpsで、一応、パリィ等もできますが、もう少し軽ければなぁというのが本音です。Turboモードにすると平均47.2fps、1% Lowも17.8fpsから29.3fpsに上がり、平均と1% Lowがそろって伸びています。

Cyberpunk 2077は、レイトレーシング「低」のデフォルト設定だと、17Wで平均28.0fps、35Wでも平均33.1fpsと重めです。ただ、パフォーマンスモードでもTurboモードでも、カクつきはそれほど気になりませんでした。とはいえ、1% Lowは35Wでも21.0fpsまで落ち込んでいるので、場面によってはフレームレートが下がります。

TDPを17Wから35Wに上げたときの平均フレームレートの伸びは、Apex Legendsが約59%、ELDEN RINGが約36%、Cyberpunk 2077が約18%でした。伸び方はタイトルによってかなり差があり、Apex Legendsのように平均は大きく伸びても1% Lowはほとんど変わらないケースもあります。電源につないでTurboモードにすれば平均値は上がりますが、どのタイトルでも動きが滑らかになるとは限らない、という点は押さえておきたいところです。

なお、35Wで動作するのは電源に接続しているときだけで、バッテリー駆動時のTurboは25Wが上限です。

画質を下げてRSRで補うと

上記はゲーム側の設定をいじらず、デフォルトの状態で試しました。せっかくなので、ゲーム側の設定も変えて、どの程度快適にプレイできるのかも確認してみました。

ゲーム内の解像度は1280×720に下げ、AMDのアップスケーリング機能「Radeon Super Resolution(RSR)」で画面の解像度(1920×1080)まで引き伸ばしています。RSRはドライバー側でアップスケーリングを行う機能で、ゲーム側が対応していなくても使えるのが特徴です。

タイトル画質設定パフォーマンス 17WTurbo 35W
平均1% Low平均1% Low
Apex Legends1280×720
フルスクリーン
59.842.9142.799.5
Cyberpunk 20771280×720
フルスクリーン
レイトレーシング:オフ
41.425.746.220.6
ELDEN RING1280×720
フルスクリーン
品質設定:低
46.331.647.331.7

Apex Legendsはデフォルト状態でも問題なくプレイできましたが、解像度を落とし、各種エフェクトを「低」または「無効」にしたところ、かなり快適になりました。Turboモードでは平均142.7fpsで、画面のリフレッシュレート(最大120Hz)を上回っています。一方、パフォーマンスモードの平均は59.8fpsとデフォルト設定時とほぼ同じで、変わったのは1% Low(31.0fps→42.9fps)です。バッテリー駆動の場合、画質を下げた効果は、平均よりも落ち込みが減る形で出ています。

Cyberpunk 2077とELDEN RINGは、体感ではあまり変化を感じず、どちらもパフォーマンスモード(17W)での動作が若干軽くなった気がする程度です。数値で見ると、17W時の平均はCyberpunk 2077が28.0fpsから41.4fps、ELDEN RINGが34.8fpsから46.3fpsに上がっています。ただ、Turboモード時はCyberpunk 2077の1% Lowが21.0fpsから20.6fpsとほぼ変わらず、ELDEN RINGは平均が47fps前後と、デフォルト設定時とほとんど同じでした。

ELDEN RINGは、画質を下げると17Wと35Wの差がほぼなくなります。設定を下げて遊ぶなら、電源につながずパフォーマンスモードで十分と言えそうです。このあたりは、グラフィックの綺麗さを取るか、少しでも軽い動作を取るかの選択になりそうです。

バッテリー持ち ─ PCMark 10で2時間46分

バッテリー持ちは、PCMark 10のバッテリーベンチマーク「Gaming」で計測しました。動作モードはパフォーマンス(17W)、画面の明るさは70%、HDRはオンです。結果は2時間46分でした。

▲PCMark 10のバッテリーベンチマーク「Gaming」の結果

前回レビューしたROG Ally X(2024年モデル)は、同じテストで2時間58分でした。ただ、チップやディスプレイ、HDRの設定、計測時期が異なるので、あくまで参考値です。

重めのゲームを17Wで遊ぶと、3時間弱が目安と言えそうです。長時間遊ぶなら、ACアダプターやモバイルバッテリーの併用を前提にしたほうが良さそうです。なお、ASUSが公表しているバッテリー駆動時間(JEITA 3.0)は、動画再生時で約14.0時間です。

まとめ:バッテリー駆動でも旧モデルのTurbo並み。ただし価格は25万円超

ROG XBOX Ally X20は、2025年モデルと同じRyzen AI Z2 Extremeをベースに、7.4型の有機ELと新しい操作系、20周年記念のデザインを組み合わせたモデルです。3DMarkでは17W時のスコアがROG Ally X(2024年モデル)のTurbo時を上回り、バッテリー駆動でもApex Legendsは快適に遊べました。

一方で、約756gの本体は手で持ち続けるには重く、机などに手を置いて遊ぶスタイルになりそうです。また、XBOXモードはXboxアプリ中心の画面なので、Steamをメインに使う人には少し面倒に感じる場面があります。

価格は25万8800円(税込)です。ASUS Storeでは、プロセッサやメモリ、バッテリー容量が共通の2025年モデル「ROG Xbox Ally X」が16万9800円で販売されています。差額の8万9000円は、主に有機ELと操作系、記念モデルとしてのデザインに対する価格と言えるでしょう。

有機ELの画面で遊びたい人や、ROGの記念モデルを持つ満足感を重視する人には、有力な選択肢のひとつだと思います。一方で、性能と価格のバランスを重視するなら、2025年モデルもあわせて検討してみると良さそうです。

タイトルとURLをコピーしました