
スマートリングは、ここ数年で選択肢がだいぶ増えてきました。今回はその中から「Ultrahuman Ring Air」の提供を受けたので、しばらく使ってみた印象をまとめます。
Ultrahuman Ring Airは、睡眠・回復・活動を24時間モニタリングするスマートリングです。価格は5万9800円(税込)で、基本機能については月額のサブスクリプションは不要です。カラーは6色、サイズは5号から14号までの10サイズ展開です(ハーフサイズはありません)。日本での発売は2024年10月にスタートしています。

スマートリングというと、睡眠トラッキングが中心のOura Ringや、サブスク不要を打ち出したRingConn、SOXAIあたりが思い浮かびます。その中でUltrahuman Ring Airは、「パワープラグ」という仕組みで機能を後から足していける点に特徴があります。このあたりも含めて見ていきます。
外観と装着感 ── 軽いけれど、リングはやや厚め
まず装着感です。重量は公称で約2.4〜3.6g(サイズによって異なります)。一般的なスマートウォッチと比べればかなり軽く、着けたまま寝ても気になりにくい重さです。
ただ、薄いかというとそうでもありません。幅は8.1mm、厚さは約2.45〜2.8mm(サイズによる)。数値だけ見ると控えめですが、実際に指にはめると、普段つけているリングよりも一回り太いというか、厚みのある印象です。指を閉じたときに隣の指に干渉するので、ここは人によって好みが分かれそうです。

素材は、外側が戦闘機にも使われるグレードのチタンで、タングステンカーバイドのコーティングが施されています。内側は医療グレードの低刺激エポキシ樹脂。肌に触れる部分への配慮はされていて、数日着けっぱなしでも荒れるようなことはありませんでした。防水は最大100m・最長12時間とされています。手洗いやシャワー程度では外す必要はなさそうですが、FAQでは30分以上連続して水中で使うことが避けることをお勧めするとのことです。

独特なアプリと、4つの指標
計測したデータはスマホアプリ「Ultrahuman」(iOS 15以降/Android 6以降)で確認します。このアプリの見せ方は、他社とはかなり異なっていると感じました。
健康状態は、主に4つの指標で可視化されます。睡眠の質を見る「睡眠」、その日の回復・活動準備度を見る「回復レベル」、活動量を見る「活動量」、そして心拍データと体内リズムからストレス状態を4段階で見る「ストレスリズム」です。指標ごとに細かいデータがぶら下がっていて、情報量自体は多めです。

気になったのは、その読み取りにくさです。各指標には「最適」「良い」「注意が必要」といったコメントが付くのですが、なぜその評価になったのか、どうすれば改善するのかまでは、正直なところ分かりにくいと感じました。「注意が必要」と出ても、何がどう良くないのかが直感的につかめず、結局スコアの数字を眺めて終わる、という感じです。データは細かいのに、それを活かす手段がユーザーには乏しいという印象です。

データ解説のAI「JADE」は、返答が英語になる
この読み取りにくさを補う機能として、データの詳しい解説をAIアシスタント「JADE」に頼める仕組みがあります。気になる指標について質問すると、解説を返してくれるという機能です。
機能自体は便利なのですが、私が試した範囲では、返答がすべて英語になってしまいました。日本語での質問には対応しているものの、肝心の解説が英語で返ってくるので、ざっと読むにはハードルがあります。また、利用はクレジット制で、無料でもある程度利用できますが、フル機能を使うには月額3.99ドルのサブスクリプション契約が必要となっています。
無料枠として5クレジットが配布されており、24時間ごとに回復するようです(Max5クレジット)。ただ、何をするとどれだけクレジットを消費するのかがよくわかりませんでした。

パワープラグ ── 機能を後から足せる仕組み
Ultrahuman Ring Airで面白いと感じたのが、「パワープラグ」です。これは、自分の目的に合わせて機能(指標)を後から追加できる仕組みで、スマートリングとしては珍しい設計だと思います。
無料で使えるものだけでも、睡眠を妨げないカフェイン摂取タイミングを提案する「カフェインウィンドウ」、日光浴の適切な時間を提案する「ビタミンD」、体内時計(概日リズム)を分析する「体内時計の調整」、女性向け健康管理、スマートアラーム、平日と週末の生活リズムのズレを見る「ソーシャルジェットラグ分析」などがそろっています。必要なものだけを足していける感覚は、使っていて素直に楽しいです。

ただ、注目度の高い機能には有料のものが多い、という点は押さえておきたいところです。心臓の活動を分析する「心臓適応力」、心房細動の初期兆候を検知する「心房細動検出」、片頭痛に関するガイドを提供する「頭痛マネジメント」などは有料です。月額サブスク不要という入口の手軽さと、機能を深掘りすると課金が必要になる点は、分けて考えたほうが良さそうです。

バッテリーとスペック
バッテリーは24mAhのリチウムポリマーで、駆動時間は最長約6日間(おおむね4〜6日)。フル充電(0→100%)にかかる時間は、公式サイトの記載で約180分(3時間)です。数日に一度、3時間ほど外して充電する運用になります。満充電までの時間が長いので、入浴中に充電するなど、こまめな充電を行った方がいいかもしれません。

主なスペックは以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 価格 | 5万9800円(税込)/月額サブスクなし |
| カラー | 6色(アスターブラック、バイオニックゴールド、ブラッシュドローズゴールド、チタン、マットグレー、スペースシルバー) |
| サイズ | 5〜14号の10サイズ(ハーフサイズなし) |
| 重量 | 約2.4〜3.6g(サイズによる) |
| 寸法 | 幅8.1mm/厚さ約2.45〜2.8mm |
| 素材 | 外側:チタン+タングステンカーバイドコーティング/内側:低刺激エポキシ樹脂 |
| バッテリー | 24mAh、最長約6日間、フル充電 約180分 |
| センサー | PPG(赤外)、非接触皮膚温度、6軸モーション、赤・緑・赤外LED |
| 通信 | Bluetooth Low Energy(BLE 5) |
| 防水 | 最大100m・最長12時間 |
| 対応OS | iOS 15以降/Android 6以降 |
まとめ:機能の拡張性は面白い。ただ、使いこなしに英語と有料の壁
Ultrahuman Ring Airは、月額サブスク不要で買い切れて、独自の「パワープラグ」で機能を後から追加できる、拡張性豊かなスマートリングです。軽さや素材の質感もこのクラスとして十分で、24時間着けっぱなしにするウェアラブルデバイスとしての基本性能は押さえています。
多くの機能をサブスク前提にしている「Oura Ring」に対し、Ultrahumanは「RingConn」や「SOXAI」などと同じく月額サブスクが不要です。追加料金なしで基本データをすべて使える点は、大きなメリットと言えるでしょう。その上での差別化として、カフェイン管理や体内リズム分析といった独自のパワープラグで、睡眠と回復を測るだけでなく「生活リズムをどう整えるか」という方向に踏み込んでいるのが本機の特徴です。
一方で、各指標の評価が直感的に読み取りにくいこと、それを補うAI解説「JADE」の返答が英語になってしまうこと、一部のパワープラグが有料なことは、購入前に知っておきたいポイントです。データを細かく取りたい人や、機能を自分好みに組み立てていくのが好きな人には面白い選択肢ですが、「着けるだけで分かりやすく健康状態を教えてほしい」という人には、現状やや手間がかかるかもしれません。
このあたりの分かりやすさや日本語対応は、今後のアップデートで改善されることを期待したいところです。一部課金が必要な部分もありますが、サブスク不要のスマートリングを検討している人にとっては、有力な候補のひとつだと思います。
