モバイルバッテリーメーカー7社と通信事業者4社、災害時の電源確保で連携協定を締結 6月1日から運用開始

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アンカー・ジャパン、INFORICH、EcoFlow、エレコム、オウルテック、CIO、ユーグリーン・ジャパンのモバイルバッテリーメーカー7社と、「つなぐ×かえるプロジェクト」に参画するNTTグループ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの通信事業者4社は5月18日、大規模災害発生時における被災地への電源確保に関する連携協定を締結したと発表しました。運用は2026年6月1日に開始します。

つなぐ×かえるプロジェクト」は、NTTとKDDIが2020年9月に運営を開始した社会貢献プロジェクトで、2024年12月にソフトバンクと楽天モバイルが参画。大規模災害時のアセット共同利用や船舶を活用した復旧活動、避難所支援の分担など、通信事業者間で協力して被災地支援を行う取り組みを進めています。

各社の役割分担

本協定に基づき、大規模災害発生時には、モバイルバッテリーメーカー各社がモバイルバッテリーや充電ケーブルなどの電源機材を調達・提供します。通信事業者は被災地の要望や被災状況に応じて、提供された機材を避難所などへ配送する役割を担います。

メーカー側は機材の提供に加え、使用方法や問い合わせ窓口、返却方法を記載したチラシの提供、被災地支援に関する情報発信の共通化も行います。各社のウェブサイトでは共通様式で支援内容を掲載する形を取ります。

背景:能登半島地震での課題

説明会では、NTT技術企画部門災害対策室長の倉内氏が、通信事業者側の取り組みの背景を説明しました。「つなぐ×かえるプロジェクト」は2024年10月から本格化したもので、それまで各通信事業者が個別に行っていた避難所支援で、支援先の重複などの課題が出ていたとのこと。事業者間で情報連携を行うことで、被災地全体への速やかな支援を目指しています。

被災地の声として特に多かったのが、モバイルバッテリーに関する要望だったといいます。「避難所の充電場所に並ばなくていい」「車中泊で車内でも使える」「手元で充電できる安心感」といった声を受け、モバイルバッテリーメーカー各社との連携に至りました。

▲NTT技術企画部門災害対策室長の倉内氏

メーカー側でも従来から各社が個別に自治体と防災協定を結んできましたが、配送先や受け入れ体制の調整に課題があったとのこと。アンカー・ジャパン 井田氏は「各メーカー単独では対応に限界があり、被災地への配送先が見つからない、被災地側もどう受け入れていいかわからないという経験があった」と振り返ります。エレコムの葉田氏も、2020年の熊本豪雨と2024年の能登半島地震で計2,000台を供給した際、「どうやって運べばいいか分からず、かなり苦労した」と説明しました。

▲アンカー・ジャパン執行役員 コーポレート本部 本部長 井田氏

CIOの牲川氏は、2024年の能登半島災害時に支援申請を行ったものの、自治体との連絡が取れず、手元にバッテリーがあるのに届けられなかったという反省点を挙げています。

在庫の管理方法と配送体制

機材は常時備蓄しておくのではなく、災害発生時に各メーカーから通信事業者の拠点に提供される形を取ります。通信事業者の拠点は被災地より一歩手前の場所に設けられ、復旧作業や避難所支援に向かうメンバーが避難所まで運ぶ流れになるとのこと。避難所ごとの需要の把握については、通信事業者が大規模災害時に派遣する「リエゾン(情報連絡員、橋渡し役)」が自治体と連携し、現地の状況を踏まえて判断します。

供給可能な台数の上限については「最大数は申し上げられないが、その時々のメーカーの在庫状況や被災規模に応じて、提供できる最大の数を出していく」(倉内氏)としています。

INFORICHの梶氏は、自社のシェアリングサービス「チャージスポット」を活用した実績として、停電発生時の筐体無償開放の初動について、過去には発覚から約30分で対応した実績があると説明しました。本格的なモバイルバッテリーの配布が始まるまでの間、需要の受け皿になれるのではとのことでした。

運用期間と今後

協定の期間は特に設けず、継続的に運用していくとしています。今後は合同訓練の実施や連携事業者の拡大を図り、被災地支援を確実かつ迅速に行える体制づくりを進めていく方針です。

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