
EssilorLuxotticaとMetaは5月19日、AIグラス「Ray-Ban Meta(Gen 2)」と「Oakley Meta」を5月21日より日本で発売すると発表しました。価格はRay-Ban Meta(Gen 2)が7万7300円〜8万9100円、度付き対応の「Ray-Ban Meta Optics(Gen 2)」が8万2500円、Oakley Meta HSTNが7万7220円〜9万2620円、Oakley Meta Vanguardが9万6580円となっています(いずれも税込、直営チャネルの参考価格)。
EssilorLuxotticaは、レンズ大手のEssilorとフレーム・ブランド大手のLuxotticaが2018年に統合した、世界最大級のアイウェア企業です。Ray-BanやOakleyのほか、多数のアイウェアブランドを傘下に持ち、Varilux、Stellest、Transitionsといったレンズ技術も展開しています。日本では1986年から事業を行っており、ニコン・エシロールや福井メガネ、和真メガネ(2024年に統合)などを通じて、レンズ・フレーム・小売を一気通貫でカバーしている、というのが大きな特徴です。
両社のAIグラスはこれまでにグローバルで数百万本以上を販売しているとのことで、AIグラス分野ではRay-Ban Metaが世界No.1の販売実績を達成しているとしています。日本市場への投入は、こうしたグローバル展開をさらに広げる位置づけにあたります。
販売チャネルは、レイバンおよびオークリーの直営店・公式オンラインストア、全国の正規取扱店、Meta.com、Metaの認定小売店(オンライン先行は6月4日より)。EssilorLuxotticaは日本国内に14,000店舗の眼鏡店向けの卸チャネルと、約150店舗の直営店を構えており、これらを使って広く展開していく方針とのことです。
発表会には、EssilorLuxotticaの日本・韓国・東南アジア統括シニアバイスプレジデントのオリヴィエ・シュパン氏、チーフデザインオフィサーのマッテオ・バティストン氏、Meta日本法人Facebook Japan代表取締役の味澤将宏氏が登壇し、製品の詳細と日本市場での展開方針が示されました。

Ray-Ban Meta(Gen 2)─ 3スタイル+度付き2モデル
Ray-Ban Meta(Gen 2)は、1200万画素の超広角カメラを搭載し、写真撮影に加え3K Ultra HDの動画撮影に対応します。バッテリーは最大8時間駆動。スピーカーはオープンイヤー型で、周囲の音を遮断せずに音楽再生や通話を行える設計です。「Hey Meta」と話しかけることでMeta AIを起動でき、リアルタイムでの提案や回答が得られるとのことです。

サングラスモデルは、定番の「Wayfarer(ウェイファーラー)」のほか、「Skyler(スカイラー)」「Headliner(ヘッドライナー)」の3スタイル。レンズは通常のサングラスレンズ、クリアレンズ、偏光レンズ、そしてTransitions® Gen S調光レンズが選べ、屋内外をシームレスに使い分けられる構成になっています。

度付き対応のオプティカルモデルは、「Ray-Ban Meta Blayzer Optics(ブレイザー オプティクス)」と「Ray-Ban Meta Scriber Optics(スクライバー オプティクス)」の2種類。一日中の着用を想定して軽量・スリム設計とし、ノーズパッドの交換やテンプルチップの調整に対応します。可動域が10度拡張されたヒンジを採用し、ワンタッチでMeta AIを起動できる専用のアクションボタンも備えています。
※サングラスモデルも度付きレンズを入れることは可能です。



Oakley Meta ─ HSTNとVanguardのパフォーマンス系2モデル
Oakley Metaからは、「HSTN(ハウストン)」と「Vanguard(ヴァンガード)」の2モデルが投入されます。位置づけとしては、スポーツ・アクティブシーン向けのAIグラスです。

Oakley Meta HSTNは、1200万画素カメラとオープンイヤースピーカーをフレームに内蔵し、IPX4の防水性能を備えています。モデルによっては、コントラストを向上させるPRIZMレンズを搭載するとのことです。

Oakley Meta Vanguardは、より動きと持久戦を意識した設計です。122度の視野角を持つ1200万画素カメラ、風切り音を低減する機能を備えた高音量のオープンイヤースピーカーを搭載し、防塵・防水性能はIP67。ランニングやサイクリングなどのトレーニング中での利用を想定しているとのことです。

日本市場での機能:翻訳とプライバシー
Meta日本法人の味澤氏は、Meta AIの強みとして「マルチモーダル対応」「Facebook・Instagram・WhatsApp・Messengerといったソーシャルプラットフォームとのシームレス連携」「Ray-BanおよびOakleyのデザイン」の3点を挙げました。

注目したい機能のひとつが翻訳です。発売時点では、外国語のテキスト(メニューや看板など)をカメラで認識して日本語の音声で読み上げる「テキスト翻訳」が利用できます。会話をライブで翻訳する「ライブ翻訳」については、20カ国語に対応する形で来月(2026年6月)に投入予定とのことです。
プライバシー面では、動画や写真の撮影時に必ずLEDライトが点灯する仕様により、周囲に撮影中であることを明示する設計になっています。発売と同時に、日本向けの利用ガイドラインも公開されるとのことです。
このほか、日本のコミュニケーション文化に対応する取り組みとして、LINEとの連携も進めているとのことでした。時期や詳細は現時点では非公開ですが、続報を待ちたいところです。
なお、他国で利用できる機能の一部は日本では利用できないもの、もしくは今後順次展開となるものがあるとのことです。Meta AI周りはとくにアップデートが速く、味澤氏も「数ヶ月でより多くのことができるようになっていく」と述べていました。購入後も機能が増えていく前提で見ておくと、過度な期待のずれは避けられそうです。
まとめ ─ AIグラスの「広く普及する側」を狙う製品
Ray-Ban Meta(Gen 2)とOakley Metaは、ディスプレイを搭載しないタイプのAIグラスです。カメラ、オープンイヤースピーカー、音声アシスタント(Meta AI)の組み合わせで、日常のメガネ・サングラスにそのまま情報処理機能を載せる方向性に振っています。
日本では人口の多くがメガネを必要とする市場特性があり、度付きオプティカルモデルや調光のTransitionsレンズを早い段階から揃えてきた点は、現実的な訴求になりそうです。一方で、ライブ翻訳やLINE連携など、日本ユーザーが気になる機能の一部は順次展開となります。「今すぐすべての機能が揃っている製品」というよりは、「これから機能が育っていくプラットフォーム」として捉えたほうが評価しやすい1台ではないでしょうか。

AIグラスというカテゴリ自体がまだ若く、競合も増えてきています。そのなかでRay-Ban MetaとOakley Metaは、ブランド力と販売チャネルの両面で量を狙える数少ないプレイヤーのひとつだと言えるでしょう。実機を試せる機会も増えていきそうなので、興味のある方は近隣の取扱店で確認してみてはいかがでしょうか。



